米中貿易摩擦懸念が再熱
中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)副会長兼最高財務責任者が逮捕されたことで、米中摩擦の悪化懸念が再燃し、12月6日の日経平均は暴落となった。米国が経済制裁を科すイランに製品を違法に輸出した疑いで米国の要請に応じて、カナダ当局が逮捕したという。1日の米中首脳会談を経て出た貿易戦争の「一時休戦」ムードを帳消しにした格好で、リスクオフムードを高めている。中国はファーウェイ幹部逮捕に「断固反対する」との声明を公表しており、中国が自国内の米企業に対して報復してくる可能性も否めず、緊張感が高まっている。投資家は米国主導で強まる対中包囲網が世界的な景気減速につながる懸念をかぎ取り始めており、しばらく売りの手は止まらない可能性がある。
2018 年はドル・円の値幅が最小になる可能性、それとも上放れ?
今年これまでのドル・円安値は104.56 円(3月26 日)、高値は 114.55 円(10 月 4 日)、年間の値幅は9.99 円である(情報ソース・ブローカーによっては若干の違いはある)。変動相場制以降、ドル・円の年間値幅 がもっとも小さかったのは2015年で、値幅は10円ちょうどだった。このまま年末を迎えるとなれば、2018年は「ドル・円の値幅が最小だった年」として記録される。
今年が「異例の年」にならないなら、ドル・円は年末までに114.56円(年間値幅が10円となる水準) を付けて2015年の値幅に並ぶか、あるいは超えることになる。このような見通しは、足元のチャート形状によっても支持されていると想定される。
強気型三角保ち合い ドル・円は 10 月以降、今年の高値圏で三角保ち合いを形成している。このような強気パターンとしての保ち合いは既に完成したか、しつつあるようだ。ならば、ドル・円はまもなく保ち合いから上放れする可能性も考えらえ、今年の高値を更新することも考えらえる。米中貿易勝など様々な問題が台頭するなか、年内115以上を目指す展開は考え辛いが、年初来高値を更新する展開にはチャート的には期待できるかもしれない。
【マクロウォッチリスト】
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週末の米中首脳会談とオプション相場 先週は、英離脱問題に絡んでBOEのカーニー総裁がポンドのオプション同行を通じて懸念を表明していました。 | |
成田博之【需給動向と相関が語る世界】 | |
長く銀行でトレードをしていたこともあって、米国政府発行の中期債 (T-Note) や長期債 (T-Bond)先物はお気に入りの先物商品です。特に、T-Bond先物にはとてもお世話になりました。はじめてバックテストをしたのもT-Bond先物でした。今年は米長期金利が話題になっています。2年と10年米国債の金利差がフラットになっていることで、この先、何処まで連邦準備銀行(FRB)が短期金利を引き上げるのか注目を集めています。FRBの政策金利変更に関してはFed Watchが参考になります。 | |
山中康司【テクニカル分析に強くなるオートチャーティスト】 | |
先週のストラテジはチャートパターンが崩れていたものが多く、本来的な選択肢が2つしかありませんでした。もうひとつは比較的可能性が残されているとの判断で選びましたが、どうなったか結果を見ていきましょう。 |