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中華圏ウェルス・マネジメント責任者
サマリー: Metaの新SNSサービス「Thread(スレッズ)」はわずか5日で1億人のユーザーを獲得しました。なぜこれほど急速に普及したのか?、そして「Twitterキラー」となるのか?同アプリに勢いがあるのは、20億人のユーザーを持つInstagramと連携しているからです。しかし、ThreadsがTwitterキラーとなることはないでしょう。なぜならば、両者が提供するものは異なるからです。
2023年2月、ChatGPTは史上最速で1億人のユーザーを獲得しました。そして今、MetaのThreadsは、そのユーザーがわずか5日間で1億人に達し、記録を塗り替えました。5カ月間で何かが変わったのかを以下で考察します。
Metaは既にInstagramという写真・動画共有SNSサービスを提供していましたが、ThreadsはInstagram版Twitterとも呼べるものです。先週水曜日(7月6日)にサービスを開始したテキストベースのマイクロブログサイトです。では、なぜ5日間という短期間で1億人ものユーザーを獲得できたのでしょうか。
それは、20億人のインスタグラム・ユーザーの背中に乗っているようなものだからです。Threadsのユニークな点は、Instagramと連携していることです。他のTwitterの代替SNS(MastodonやBlueskyなど)では、新規ユーザーはゼロからフォロワーを増やす必要がありました。Threadsは、新ユーザーが既存のInstagramのフォロワーを初めからThreadsに「転送」できるようにすることで、これを回避しています。そのため、真新しいプラットフォームに特有の課題に直面することなく、5日間という驚きのスピードで1億人のユーザーを獲得できたのです。
実はインターネットやSNSの効果を説明するものに「メトカーフの法則」というものがあります。メトカーフの法則とは、ネットワークの効果はシステムの接続ユーザー数の2乗に比例するというものです。簡単に説明すると、これは「ネットワーク効果」を実感できる新しいビジネスやサービスはかつてないスピードでユーザーを獲得できることを意味します。ソーシャルメディアやインターネットを利用したビジネスが、飛行機や電気、電話の利用よりもはるかに早く軌道に乗ったのはこのためです。
端的に言って、答えは「ノー」です。3億人のユーザーを抱えるTwitterがThreadsに打ち負かされるわけはないと言いたいのではありません。Threadsが提供するサービスがユニークだからそう考えるのです。
TwitterとThreadsの主な違いは以下の通りです。
1) Threadsのプライバシーに関する懸念: 欧州連合(EU)のデータ保護法は米国よりはるかに厳しく、Threadsの使用は現在EUで禁止されています。つまり、Threadsが直ちにTwitterのような世界的な地位を確立することはないだろうということです。
2) モデレーション(投稿監視)に関する懸念: Threadsは、Twitterとは異なるモデレーション・アプローチを採用しており、誤報や検閲に関する懸念があります。
3) 機能が依然として開発途上:深刻な問題ではありませんが、現在Threadsではコンテンツを検索することができず、目当てのコンテンツを見つけることができません。また、Twitter Spacesと呼ばれるソーシャルオーディオ(招待制の音声配信SNSであるClubhouseに類似)など、Twitterが持つユニークな機能を欠いています。
MastedonやBlueskyのような他の「Twitterの代替SNS」の存在は、これらを含めてすべてが共存できる余地があることを示しています。