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サマリー: FRBのインフレ対策は後手に回り、それによって景気減速のリスクが高まったとしても、現在の姿勢は強固なものとみられます。 商品市場はアジア取引時間に回復していますが、流動性が低いためボラティリティが高く、投機筋とテクニカルトレーダーが優勢なため、一層の圧力がかかる可能性は否定できません。米ドルは依然として市場の中心となっており、本日予定されているECB議事録公表内容がユーロにとってカギとなるでしょう。サムスンの決算で、アジアのテクノロジーセクターのセンチメントは向上しましたたが、見通しはまだ厳しい状況です。
債券利回りが月間低水準で推移する中、米国株は3日続伸となりました。ファンダメンタルズの面では何も変わっておらず、弱気相場の中での上昇であるため、この市場の動きを過信しないよう注意していただきたいと思います。FRBは、急激に高まっているインフレを定着させないために、景気が減速したとしても利上げを長期にわたって続けることを確認しました。タカ派的姿勢に傾斜しているということです。FRBは50bpまたは追加での75bpの利上げを示唆しました。また、ドルはG10諸国通貨全てに対して上昇し、英ポンド(GBP)は、英国首相の交代を求める声が上がっていることから、2年ぶりの安値まで下落しました。
アジア太平洋諸国の木曜日午前の株式市場は、米国市場が上昇して引けた後、香港を除いてほとんどが下落となりました。FOMC議事録において積極的な引き締めを継続するとの認識が示されたことで警戒感が高まり、また中国での新型コロナウイルスの拡大も引き続きセンチメントを悪化させています。日本の日経平均(NI225.I)は、消費財と不動産セクターが上昇をけん引し、0.7%上昇しました。一方、原油価格が2日間で13%下落し、景気後退懸念が幾分後退したこともあり、市場は堅調に推移しました。そのため、ASX200は0.4%上昇し、過去1か月で0.74%の上昇となりました。鉱業セクターは本日も1.2%の上昇と堅調です。注目の銘柄はBHPからスピンオフ後のサウス32 (S32)で、アルミニウム先物価格が安値から上昇した後、センチメントの改善を期待して3.4%上昇しました。鉄鉱石・リチウムのミネラル・リソーシズ(MIN)は3%上昇し、リオ・ティント (RIO)は鉄鉱石価格が反発を試し、2.6%上昇しました。本日値下がりしたセクターは、ハイテクの1.3%下落、工業やエネルギーも値を下げました。特に、EMLペイメント(EML)は9%安、ジップ(ZIP)は8%安となり、ショートスクイーズのラリーが一服、終了したため、昨日までのハイテク関連の上昇分が消失しました。投資家は、経済成長の鈍化と金利上昇の中で、ハイテク企業がより厳しい利益率の低下、利益・収益の縮小に直面していることを認識し、基本に立ち返ってファンダメンタルズに注目しています。シンガポールのSTI(ES3)もウィルマーがけん引し、上昇の途上にあります。
ブレント先物は1バレル100ドルを割り込み、WTI先物は1バレル97ドルと、アジアで若干の回復がみられたものの、原油への圧力はオーバーナイトで高まりました。現在、投機筋とテクニカルトレーダーが優勢で、市場は真のファンダメンタルズの反映から遠ざかっているように思われます。昨夜の米国API在庫は予想に反して増加したため、供給懸念が緩和されました。需要減退の影響が出始めている可能性があり、本日発表されるEIA報告でさらに明らかになる可能性があります。しかし、供給懸念が残る中、ある程度の需要破壊が生じたとしても、市場の均衡は達成されないと考えられます。
株式と債券が方向性を模索する中、米ドルは依然として市場における主導権を握っており、DXY指数は夜中に107を上回りました。ユーロ/米ドルは現在、1.0200以下の水準で取引されており、ガス危機により景気後退が進行する可能性が高まっていることから、下値余地が拡大しパリティに近づいています。
6月の米非製造PMI(購買担当者景気指数)は55.3と、5月の55.9から小幅に低下したが、コンセンサスの54.3を上回りました。サービス業は依然として景気を維持しており、FRBがインフレ圧力と戦うために積極的な姿勢をとり続ける余地を与える要因となっています。しかし、サービス業の堅調さは急速に失われつつあり、米サービス業のPMIは3か月連続で低下し、20か月ぶりの低水準となったため、7月の利上げ以降にFRBがどのような方針をとるかについての予想に再び注目が集まっています。
アップルは、ガーミンに匹敵する可能性のある、新たなエクストリームスポーツモデルを発表すると言われています。既存の大型Apple Watchより7%大きいディスプレイを搭載したモデルが、今年後半に発表される予定です。それとは別に、同社は昨夜、「ロックダウンモード」と呼ばれる「極めて高度な」セキュリティ保護のための新たなオプション機能を提供すると発表しました。これは、iPhone、iPad、Macのデバイスを対象としており、活動家、ジャーナリスト、政府関係者などの著名なユーザーを標的としたサイバー攻撃を防止するためのものです。また、その他のニュースとして、米連邦通信委員会(FCC)が、アップルのティム・クック氏とグーグル(GOOGL)のサンダー・ピチャイ氏に対して、「TikTokは受け入れがたい国家安全保障上のリスクをもたらしている」として、TikTokをアプリストアから削除するよう求める書簡を送付しましたが、それからわずか1週間で、今後は米国上院議員がTikTokに対する連邦調査を求めているとのニュースがありました。アップル(AAPL)株は1%近く上昇し、3日間の上昇トレンドを更新しました。
今週初め、バイデン政権が中国に課している制裁関税の一部について撤廃を検討していると報じられました。バイデン氏の唯一の目的は中間選挙を前にインフレを抑制することであるため、本件に関して過度の期待を持つことには注意が必要と当社は考えています。ポリティコによると、今回の関税撤廃の検討対象は、100億ドル相当の物品のみで、中国からの輸入総額3700億米ドル相当のほんの一部に過ぎないとのことです。鉄鋼などの戦略的な物品は検討されないと思われ、マクロ力学に大きな影響を与えることはないと考えられます。一方、米政府が、ASMLとニコンに半導体チップ製造技術の中国への売却を禁止するよう働きかけたことに対し、中国外務省がその動きを「技術テロ」と非難するなど、ハイテク分野での米中の緊張は再び高まっています。中国は来週、第4四半期のGDPデータを発表しますが、経済的な逆風が実際にどの程度となっているかは、ヘッドラインの数字ではほとんど見えないでしょう。
サムスンの第2四半期の収益は21%増加し、アジアのテクノロジーセクターのセンチメントを向上させ、Hang Seng Tech指数と台湾のTSMCを上昇させました。しかし、同社の営業利益は予想を下回っていることから、利益に継続的な圧力がかかっていることが反映されていると考えられ、先週のマイクロンの事例と同様、サムスンでも見通しは厳しいとの警戒感を示しています。
欧州の大半が休暇で不在の7月は通常、市場の流動性が低下し、動きが増幅されやすくなります。市場の変動はあまり重視せず、長期的なファンダメンタルズに注目するのが賢明です。当面は米ドルと現金を保有し、石炭価格が下支えしているとみられる優良株を選択するのが王道でしょう。しかし、現金ポジションに関しては、インフレが長く続くと、現金の価値が低下することを忘れないでください。また、経済の供給サイドの課題が依然として解消されていないことを勘案すると、市場が投機的な取引から離れると、需給バランスが再び注目されるテーマとなるでしょう。
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