押し目買いをしたいですか?ここでは、投資機会を選別する方法をご紹介します

押し目買いをしたいですか?ここでは、投資機会を選別する方法をご紹介します

株式
チャル・チャナナ

チーフ・インベストメント・ストラテジスト

重要なポイント:

  • 押し目買いを入れたいですか? 市場のメルトダウン(暴落)において、本当のスキルは押し目買いではなく、どの急落局面で買いを入れる価値があるかを知ることです。
  • 投資機会を探すためのスクリーナー:私たちは、投資機会を探すのに役立つ2つのターゲットを絞ったスクリーナーを構築しました:1つは不当に投げ売られた堅実な企業を見つけるため、もう1つは最終的には売りに出されたエリート企業の株式の銘柄を発見するためです。
  • 注目すべき主なリスクは、収益の減少、バリューの罠、世界的なパワープレイによる政策上のショック、動きの速いセクターローテーションです。


 

押し目買いをすることは、投資における最も古い本能の1つですが、市場が政策ショック、強制的な売り、マクロの不確実性に見舞われているとき、ある銘柄が格安な状態であるということと(実はそれが)バリューの罠であるというのを区別するのは難しい場合があります。

相互関税の発動が引き金となり引き起こされた最近の市場の混乱は、センチメントの脆弱化によって増幅され、セクターや地域間で価格に急激な乖離をもたらしています。投資機会を理解しようとする投資家にとって、スクリーナーは、より詳細な調査が必要なアイデアを明らかにするのに役立ちます。

ここでは、ウォッチリストに追加する価値のある銘柄を取り挙げるのに役立つ 2 種類のスクリーナーをご紹介します。それぞれ異なる種類の潜在的な機会をターゲットにしています。

スクリーナー1:「パニックディスカウント」攻略

このスクリーナーでは、ファンダメンタルズが弱いためではなく、広範な市場ストレスのために売却されたと思われる企業を探します。過去の混乱では、強固なバランスシートと一貫した収益性を持つ企業、特にディフェンシブ・セクターやグローバルに展開する企業が最初に回復することが多かったことがわかっています。

ここでの目標は、次のような企業を分離することです。

  • ファンダメンタルズが強い - 収益性、安定したキャッシュフローのことを言っています。
  • レバレッジが大きすぎない
  • 広範なパニックによる大幅なディスカウント(割安状態)で取引されている

これは、誇大広告に左右される成長ストーリーの話ではありません。実際、ここにある銘柄の多くは「退屈」に見えるかもしれませんが、不確実な市場では、退屈は美しいものになる可能性があります。これらは、市場に安定性が戻ったときに最初に回復する種類の企業です。配当金を支払う企業、ディフェンシブ・セクター、グローバルに分散した資本財・サービスセクターの銘柄がここによく現れます。

このスクリーナーでは、以下の測定基準の使用を検討してください。

  • 純利益率 >10% (妥当な価格決定力の有無を判断)
  • 投下資本利益率 >15% (強固な基礎となる事業の有無を判断)
  • フリーキャッシュフロー利回り >5% (キャッシュを内部から有機的に生み出す原動力の強さを判断)
  • 純負債/EBITDA<2.5倍(財務ストレスの回避ができるかを判断)
  • 年初来の株価パフォーマンス<-15%(損切のリスクを示唆)
  • (オプション)配当利回り >2% (現金での投資家還元の程度に関するフィルター)

注:国際市場では、さまざまなセクターの基準や会計基準を反映するために、これらの閾値を下方修正する必要がある場合があります。

現在、プラットフォーム上のスクリーナー画面に表示される参照結果は次のとおりです。

  • 米国市場: Caterpillar, Merck, Accenture
  • ドイツ市場: SAP, Hugo Boss, Infineon Technologies
  • 中国/香港市場: Samsonite, Lenovo
これらの銘柄は圧力にさらされていますが、それでも経済の混乱を乗り切ることができるビジネスモデルを持っている可能性があります。

スクリーナー2:「売りの状態にある複利効果の期待できる優良企業銘柄」リスト

2つ目のスクリーニングは、以前は割高であったものの、現在は短期的な不確実性をより正確に反映して妥当なバリュエーションに近づいている長期複利成長株を対象としています。

これらは、以下の企業です。

  • 強固なファンダメンタルズ
  • 明確な競争優位性
  • 長期的な成長の可能性
  • しかし、今では株価には、より口当たりの良い値札が付けられています。
このスクリーナーは、特にテクノロジー、防衛、再生可能エネルギー、消費者関連(小売り、卸売り)などのセクターで、株価調整されている際のエリート企業の銘柄を発見するのに役立ちます。

このスクリーナーで抽出されたリストの中には、年初来のパフォーマンスがまだプラスの領域にある銘柄があるかもしれませんが、高値からは後退しています。複数年にわたる投資期間を想定している投資家にとって、この種の価格調整は興味深いエントリーポイント(買いのタイミング)を提供することができます。

このスクリーナーで考慮、設定すべき測定基準は次のとおりです。なお、国際市場と米国市場では、数字を調整する必要があります。

 

  • 売上高成長率:5年のCAGR(年間平均成長率)前年同期比>15%(持続的な成長軌道にあることの確認)
  • 投下資本利益率 >12%(資本効率と参入障壁の高さを測る)
  • 予想PER<業界平均(適当な相対バリュエーションかどうかの確認)
  • 52週間の高値からの価格変動 <-20% (値崩れなく最高値からの価格調整がされているかの確認)

注:繰り返しになりますが、市場によっては、一部のバリュエーションまたは収益性の指標が、高品質のビジネスであっても、米国市場の同業他社の銘柄よりも緩くスクリーニングされる場合があります。

このスクリーナー画面に表示されている参照結果:

  • 米国市場: Alphabet, Nvidia, Meta, Eli Lilly, Palo Alto Networks
  • ドイツ市場: Rheinmetall, Siemens, Deutsche Telekom
  • 中国/香港市場: Tencent, BYD, Xiaomi

これらの企業は、かつて市場の期待に完璧に応えてきたことからこれまで価格設定された銘柄です。現在、市場のセンチメントが脆弱になり、バリュエーション測定に用いられる倍率(マルチプル)が縮小しているため、長期投資家が「合理的」と呼ぶ価格帯に近づいています。


 

考慮すべきリスク

いつものように、成功を保証するスクリーナーはありません。スクリーナーの測定基準を用いて有望に見える銘柄の中には、実際のビジネス上のプレッシャーに直面しているものもあります。留意すべきいくつかの重要なリスクは以下の通りです:

  • 業績の修正が重要:株価が割安に見えるのは、見通しが崩れたばかりだからです。アナリストの最新情報と最近のガイダンスを同時に相互参照します。
  • 地政学的なエクスポージャー:関税の脅威、サプライチェーン、エネルギーコスト、規制の変更に関するリスクを考慮します。
  • 通貨の影響: グローバル企業の銘柄は、現地通貨ベース(例えば、円)では安く見えるかもしれませんが、(上場されているグローバル市場においての)グローバル基準の通貨(例えば、米ドル)では株価の動きが異なります。
  • Vバリューの罠と割安銘柄への投資機会:過去の好調なキャッシュフローは、今後のレジリエンス(力強い株価の回復)を保証するものではありません。成長の鈍化や貿易の混乱の下でビジネスモデルのストレステストを行うとよいでしょう。


 

概要: ウォッチリストを作成し、厳選し続ける

これらのスクリーナーは、すぐに行動を起こすためのシグナルというわけではなく、より詳しく見る価値のある銘柄を特定するためのツールです。

一部の企業は、過ぎ去るかもしれないマクロな理由で売却されています。その他は、足に地がつく価格調整のあった高品質の企業の銘柄です。どちらもチャンスをもたらす可能性がありますが、選択性、企業を取り巻く背景、リスクについての明確な理解は、これまで以上に重要です。

多くの場合、最善の投資決定は、危機が終わる前に行うものです。

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