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Chief Investment Strategist
サマリー: eコマース銘柄の株価は過去1年間で66%下落し、コロナ禍の最初の局面での上昇分をほぼすべて帳消しにしました。後から考えれば、金利が歴史的低水準に低下し、株式のバリュエーションを天文学的な水準に引き上げた一方で、eコマースはサービスからモノへの消費の非常に大幅なシフトに牽引された、バブルの渦中にあったように思われます。英国を本拠地とするeコマース企業のAsosは6/16に、生計費危機の悪化によりファッション分野のeコマースの業績見通しが悪化していることを確認しました。
eコマースはバブルだったのか?
弊社のテーマ別バスケットを概観すると、今年はおびただしい数の損失が見られます。暗号資産は必然的に、「偉大なリセット」における最大の犠牲者ですが、eコマースは2番目に下落幅が大きく、年初来で52%、過去1年間では66%下落しています。eコマースはコロナ禍により当初、あらゆるものが停止する中、打撃を受けましたが、その後世界が活動を再開すると、eコマース株はもの凄い勢いで値上がりしました。2番目の局面では、物流コストが急騰し、eコマース事業の利益に食い込み始めるほど供給網が混乱しました。これは、アマゾンがeコマース事業で営業損失を計上する等、第1四半期に明白に見られるようになりました。eコマースを襲った次の局面は、とんでもなく上昇しているエネルギーおよび食品のインフレによる生計費危機で、非必需品への需要を減退させています。弊社eコマース・バスケットの2016年のパフォーマンスを見ると、業界全体がコロナ禍が引き起こしたバブルの状態に陥ったように見えます。
現在では、ファッションeコマースのビッグネームであるAsosが返品の増加と物流・供給網全体のコスト圧力により、今年度の売上高および税引き前利益の見通しを引き下げたように、こうしたマイナスのダイナミクスの証拠をますます多く目にするようになりました。税引き前利益のガイダンスは、従来の1億~1億3,000万ポンドから2,000万~6,000万ポンドに引き下げられました。売上高の伸びは11~13%から、ロシアを除いて4~7%に下方修正されました。世界経済が景気後退局面に陥りつつあるとすれば、売上高の見通しの下方修正は十分でない可能性があります。株価は6/16に26%安となり、2020年の3月のコロナ禍の安値水準を下回りました。同銘柄の2018年3月の高値からの下落幅は、これで89%となりました。