エヌビディア:乱高下が続く
半導体大手のエヌビディアは今月初め、主力のゲーム向け画像処理半導体(GPU)の過剰在庫が価格圧力につながることを理由に業績予想を下方修正しました。このことは当社が
8月8日の株式レポートで述べた通りです。GPUの需要低下は、主に暗号資産マイニングに不利な動向によるものと考えられ、エヌビディアは売上高予想の下方修正、価格の引き下げ、在庫償却費の計上を余儀なくされています。エヌビディアは、ゲームセクターの減速によるものだと説明していますが、ゲーム企業は、エヌビディアが言及しているのと同程度の需要減速には直面していません。
エヌビディアは自社のGPUの最終使用目的をあまり認識していないため、それに対応した収益のセグメント化は困難ですが、ビットコイン価格と結びついた暗号資産マイニングの経済性が、同社の収益変動要因を最もよく説明していると当社は考えています。エヌビディアの減速は暗号資産と結びついているため、金利上昇は、エヌビディアの株式バリュエーションにおける重要なリスクであるだけでなく、暗号資産価格を現在の水準から大幅に押し下げる可能性があるため、暗号資産への需要に対するリスク要因でもあります。
エヌビディアは水曜日に、2023年度第2四半期(7月31日終了)の売上高成長率が前年同期比3%にとどまり、2023第1四半期(5月1日終了)の同46%から急減速したと発表すると予想されています。また、エヌビディアの最大のビジネスリスクも浮き彫りになっています。エヌビディアは需要要因を十分に把握していないため、需給のミスマッチが発生する可能性があります。投資家にとって重要なのは、エヌビディアがどの程度まで成長が回復すると見込んでいるのか、さらに重要なのは、営業利益の見通しを変更するかどうかです。