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Chief Investment Strategist
サマリー: 今週はナイキ、フェデックス、カーニバルの決算発表が注目されます。ナイキについては、最近になってセルサイドアナリストが業績予想を上方修正したこともあり、2023年(5月決算)の会社計画を達成するプレッシャーが強まっています。一方、フェデックスの状況はその真逆であり、同社の収益成長率は向こう2四半期連続でゼロとなる見込みです。これは、引き続き物流関連企業がコロナ禍の特需からの反動減で苦戦している可能性を示しています。本日のレポートでは昨夜公表されたアドビの決算内容を振り返ります。同社の好調な業績はポジティブサプライズとなりました。果たしてナイキは、足元で高まっている業績に対する期待感の高まりに応えることができるでしょうか?
ナイキは業績モメンタムを維持できるか?
米国企業の第3四半期の決算シーズンが終わり、市場の関心はすでに来年1月中旬に本格化する第4四半期決算に移っています。一方、決算期が12月以外の企業の決算発表はまだ続いています。このなか、来週発表予定の決算で最も注目されるのはナイキの第2四半期の決算です。最近になって複数のセルサイドアナリストが2023年中の粗利益率の回復を織り込み、同社の目標株価を引き上げています。同社は今週火曜日に2023年5月期の2Q決算(2022年9月~11 月期)の公表を控えており、売上高は前年同期比11%増の126億ドルとなる見通しです。ただし、今回の決算内容で最も注目されるのは、年末のホリデーシーズンの業績が反映される次の第3四半期のガイダンスとなるでしょう。しかし、消費者はナイキが販売するようなラグジュアリーアイテムを購入し続けているのでしょうか?先週の開かれた金融業界幹部のカンファレンスでは、米銀大手のCEOらが米国の消費者支出が減速し始めているとの見解を示しました。これに対し、ナイキの担当アナリストは2023年についてより楽観的な見方をしているようです。
以下は、来週の最も重要な決算発表のリストです。先のナイキの決算の他にも、フェデックスとカーニバルの決算が注目されます。現在、フェデックスはコロナ禍の物流ブームの反動に苦しんでおり、収益成長率は向こう2四半期連続で実質ゼロにとどまるとの極めて厳しい見通しに直面しています。これは、今週火曜日に決算を発表するフェデックスに対するハードルがすでに低いことを意味します。その他クルーズ会社のカーニバルが水曜日に決算を発表しますが、同社の株価は引き続きパンデミック禍で付けた底値からの力強いリバウンドの波に乗っており、11月に終わった四半期(11月決算)は前年同期比206%の増収となる見通しです。
アドビは Figmaの買収に自信
クリエイティブソフトウェアメーカーであるアドビは第4四半期決算(2022年9-11月期決算)を発表し、売上高は前年比10%増の45億2500万米ドルと予想範囲内となり、調整後EPSは3.60ドルと予想(3.50ドル)を上回りました。同社がここ最近取り組んできたコスト削減が奏功し、同社の収益性はコンセンサス予想を上回るペースで改善していることはポジティブサプライズとなりました。一方、2023年の収益見通しは192億ドルと、予想をやや下回りました。それでは今回の決算が控えめに見ても実績と見通しで強弱入り混じった内容となったにもかかわらず、なぜ同社の株価は時間外取引で5%も上昇したのでしょうか?これは、アドビの経営陣が急成長を遂げている競合他社であるFigmaの買収に非常に自信を持っていることが背景にあるようです。なぜならば、投資家はアドビが長期的な成長性を維持してゆくためには、Figmaの買収は必要不可欠であると信じているためです。アドビは、2023年内の買収完了を見込んでいます。