決算プレビュー:米経済動向および企業業績見通しについて

株式
Peter Garnry

Chief Investment Strategist

サマリー:  Salesforce は31日(水)に第1四半期決算(2-4月期)を公表する予定です。アナリスト予想によると、同社の売上高は前年同期比10%増、EBITDAも大幅に増加する見通しとなっています。また、昨日(25日)公表された一連の経済指標は、米経済が依然力強い成長を遂げている可能性を示唆しており、当グループがこれまで指摘してきたように、足元の経済情勢は「FRBの利下げは危機的な状況に直面した場合のみ正当化される」との見方を裏付けています。欧米企業の業績予想は持続的に上向いており、株式市場は年内のハードランディングや危機的状況が生じる可能性を織り込んでいない可能性があります。


※本レポートは自動翻訳を一部修正したものです。原文と和訳に齟齬がある場合は原文が優先されます。

主なポイント:

  • 31日引け後(現地時間)に公表されるSalesforceの第1四半期決算(2-4月期)が注目される。アナリスト予想によると、同社のEBITDAは大幅増となる見通し。
  • 昨日(25日)公表された一連の経済指標は、米経済が今年4月末までプラス成長を維持しており、FRBが年内利下げに動く可能性が低いとの見方を支持している。

  • 株式市場が引き続き緩やかな景気減速と名目GDPの大幅な拡大を織り込む中、欧米企業の業績予想は持続的に上向いている。

今後は決算よりもキャッシュフローが焦点に

米企業の第1四半期決算シーズンは終盤を迎えています。31日引け後に発表されるSalesforceの第1四半期決算(2-4月期)は最も注目される決算のひとつとなっています。コスト削減の取り組みが奏功したことで同社の収益性は大幅な改善が見込まれており、アナリスト予想によると売上高は前年同期比10.3%増の82億ドル、EBITDAは12%増の32億ドルとなる見通しです。また、同社の売上高の伸びた背景には、Snowflakeをはじめとする米テック企業のテクノロジー投資が全体的に減速傾向にあることがあります。しかし、投資家やテック企業の経営陣はすでに20%の収益成長率よりも、フリーキャッシュフローの創出力に焦点を定めつつあり、当グループの予想では、同社の収益性は今後5年間で著しく改善する公算が大きいと考えています。Salesforceの株価は、収益性の改善を重視した経営方針が評価され、今年に入ってから58%上昇しています。

 
Salesforce share price | Source: Saxo

以下は、来週(29日週)公表予定の主な企業決算のリストです;

  • 30日(火):HP、HP Enterprise
  • 31日(水):Salesforce、Crowdstrike、Okta
  • 1日(木):Broadcom、Vmware、Lululemon Athletica、Dell Technologies、MongoDB、Zscaler、Dollar General、Hormel        Foods
     

米経済は4月にリバウンド

今年初めに起こった米銀を巡る危機は金融環境のタイト化を予見させるものとなり、市場はより高いリセッション確率を織り込むと同時に、急速に年内3回の利下げシナリオへと傾きました。を実施すると予想しました。当グループは、「米経済および労働市場はなお底堅く推移しており、市場はインフレ鈍化や金利低下を前倒しで織り込むという過ちを再び犯している」との見方を、引き続き維持しています。米国の地銀を発端とする銀行危機以降、金融環境は緩和の一途を辿っており、足元では今年2月初旬に近い緩和的な環境にあります。

昨日発表された米4月シカゴ連銀全米活動指数は、米国経済は4月に回復し、経済成長率が長期的なトレンドを上回っていることを示しました。3ヵ月平均では経済成長率は依然トレンドをわずかに下回って推移しているものの、景気後退を示す節目を十分上回っています(下図オレンジ色の線)。また、米新規失業保険申請件数および求人件数は、引き続き賃金上昇に有利に働く労働市場のタイト化を示しており、インフレによる負の影響がある程度緩和されていると判断できます。

債券市場では、景気後退の兆候を示す指標も多く見られますが、株式市場はこうした見通しに対して落ち着いて対処しており、企業の増収増益が続く中で名目GDPは5%の伸びを維持し、実質GDPが穏やかに縮小することで、企業の収入と利益が増加すると予想しており、リセッションは浅いものにとどまると予想しています。
Nvidia share price | Source: Saxo

企業業績見通しは改善の一途を辿る

今年第1四半期の決算シーズンが始まって以来、S&P500指数とSTOXX600指数の12ヵ月先予想利益はそれぞれ0.4%、2.5%増と大きく上昇しており、企業業績見通しや経済活動の水準が底堅く推移していることを裏付けています。米国株式はこのところ横這いの動きが続いていますが、FRBがインフレ抑制に向けた利上げによって経済成長率を効果的に鈍化させる必要があるとのメッセージを発した場合、市場が一定の下押し圧力に晒されるリスクが高まります。

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