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Chief Investment Strategist
サマリー: 米国企業の第2四半期の決算発表が間もなく始まります。3月の米地方銀行危機以来、銀行の業績予想が十分に回復していないため、同セクターに対する期待値は極端に低いままのようです。Wells Fargo、JPMorgan Chase、Citigroupはすべて来週金曜日に決算を発表しますが、問題は予想を上回ることができるかどうかです。当社の見解は、市場は銀行株に対して過度にネガティブであり、堅調な純金利収益が投資家を驚かせ、資本市場部門の低迷を相殺するだろうというものです。
来週から米国企業の第2四半期決算発表が本格化します。特に注目されるのは来週金曜日に発表される、Wells Fargo、JPMorgan Chase、Citigroup Wellsなど大手金融機関の業績です。投資家が景気後退に陥る見込みは低いと考え、AIブームにより全般的な期待が高まったため、市場全体の業績予想は回復しています。ところが、金融機関の状況はこれとは対照的です。2023年に入った当初は、金利上昇によって純預貸利ざやが大幅に拡大し、収益が伸びると予想されたため、投資家は米国と欧州の銀行株への投資を引き上げていました。
しかし、金利上昇は債券ポートフォリオの含み損を通じて米銀のバランスシートにダメージを与え、これらの債券を売却可能債券から満期保有目的の債券へと移行させたために、米銀は信用供与とバランスシートの拡大という点でより保守的な姿勢を採らざる得なくなりました。3月にシリコンバレー銀行の破綻で火がついた地方銀行の危機は、銀行の自己資本要件と資本コストを引き上げ、その結果、米金融機関の予想収益ベースPERは株式市場全体のそれと比べて低下しました。現時点で米国金融機関の今年度収益は11%減益と予想されており、3月の銀行危機の打撃からわずかに回復したに過ぎません。
米国の銀行株は先週、最もパフォーマンスの良かった分野の一つです。これは投資家が米銀の業績上振れと見通しの上方修正という予想外の結果を期待している結果かもしれません。当社も米銀の業績が予想を上回るという見方を支持し、アナリストは純預貸利ざや拡大による影響を過小評価していると考えています。連邦預金保険公社(FDIC)によると、米国の譲渡性預金証書(CD)3カ月物の平均金利はわずか1.07%です。一方、第2四半期決算発表を前に、複数の銀行のCEOが資本市場部門の厳しい状況について語っています。従って、銀行の決算が市場の予想を上回るか否かは、商業銀行部門が資本市場部門の低迷をどの程度相殺するかによって決まるでしょう。米銀の今後のリターンは、米経済が景気後退に陥るのか、それとも失業率の持続的な上昇は認められない状況なのかに大きく左右される可能性があります。
来週の注目の決算発表は以下の通りです。