一段の引き締めにより金融環境は間もなく再び変化
S&P500先物は先週の高値から3.4%下落し、200日移動平均線にタッチした後、もみ合いの状況となっています。金曜日のFF 先物金利イールドカーブ(青い線)は、1週間前(紫の線)より下方シフトしています。これは市場が、来年の利下げが予想より緩やかなものになると考え、センチメントを変化させていることを示しています。市場では過去1か月、インフレ圧力が鎮静化すると予想する向きが強まっていました。
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は最近、名目経済成長を抑えるため、9月のFOMCで75bpの利上げ支持に傾いていると述べました。実質経済成長が低調な中、FRBが75bpの利下げに踏み切れば、経済実態に対して金融情勢がより厳しくなることを意味します。金融情勢は6月以降改善していますが、もう一段の引き締めにより、過去を上回る水準に達し、それに伴い米国株式にも圧力がかかる可能性があるでしょう。
S&P500先物は現在、4,200の水準を大きく下回っており、前回の上昇以前のもみ合いの状況となっています。次の下値の重心は4,100で、その下は4,000のすぐ上です。S&P500のプットオプションは現在、208ドル前後で買われており、アット・ザ・マネーで3か月間のダウンサイド・プロテクションを構築するには約5%のプレミアムが必要であることを示唆しています。