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Chief Investment Strategist
サマリー: ナイキの株価は、売上高成長率の見通しが予想を下回ったことから6%下落しました。これは、向こう一年間の売上高が為替変動の影響を除いて横ばいから微増にとどまることを示唆しています。また、前四半期にマイナス要因となった中国についても慎重な見通しを示しています。コスト面では、フットウェアやアパレルの生産に使用される物流やコモディティの影響を依然として受けており、サプライチェーンの混乱により輸送中の状態にある商品が増えていることが、在庫を押し上げています。全体として、ナイキの業績結果は、消費者がインフレで痛手を受けており、また、コンシューマー向け企業が中国での新型コロナウイルス感染拡大防止のロックダウンによって困難に直面していること反映しています。
ナイキ、中国とコストの圧力で打撃
株価は昨年11月のピークから37%下落して予想を下回りましたが(フォワードバリュエーションのチャート参照)、ナイキの業績見通しは投資家らを失望させ、メインセッションで株価は6%下落しました。22年度第4四半期(5月末締め)の売上高は前年同期比で1%減となりました。これは、恒常通貨ベースでの中華圏の売上高が前年同期比20%減、北米で同5%減となったことが主な原因です。明るい材料は、欧州・中東・アフリカとナイキ・ダイレクト(D2C事業)でそれぞれ、恒常通貨ベースで20%、15%の増益を達成したことです。ナイキの同四半期末の在庫は前年同期比23%増の84億ドルとなりました。これは現在進行中のサプライチェーン混乱によるリードタイムの延長で輸送中の在庫が増加したためです。同社によると、在庫水準に対して需要は堅調に推移しており、今後、在庫増が大幅な値引きにつながる可能性は低いということです。
決算説明会でナイキは、2023年5月31日までの次期会計年度で粗利益率が最大0.5%低下し、売上高の伸び率(為替の影響を除く)は横ばいから微増になる見込みであると述べました。インフレ圧力を考慮すると、これは来年度の販売数量の減速につながります。ナイキは中国に対しても慎重な姿勢を示し、さらなるロックダウンや混乱が起こる可能性は否定できないとしています。全体として、ナイキの見通しは、消費者がインフレの熱を感じていることを裏付ける証拠であり、今日発表の消費者信頼感指数と期待指数が予想を下回ったこと、そして、地域連銀製造業活動指数(リッチモンド連銀)も予想以上に悪化したことで、米国株は急激に値を下げました。