対ロシア制裁の影響は至る所に波及

ニッケル先物の歴史的なショートスクイズ

対ロシア制裁は国際商品市場や欧州の金融業界にも大規模な波及効果をもたらしています。最近ではロシアの資産はほとんど価値を失ったこともあって、もはや欧州の多くの銀行はオリガルヒ（ロシアの新興財閥）から融資用に差し入れられた担保を受け入れていないため、ロシアのエリート層に対して多額の証拠金請求を行っています。対ロシア制裁によって、国際商品市場の正常な運営も難しくなってきたほか、天然ガス、燃料炭、石油、小麦のほか、先日のニッケルなど、国際商品全体で価格が高騰しています。ロンドン金属取引所（LME）のニッケルの指標取引が取引時間中に250%値上がりし、トン当たり100,000ドルを上抜けする場面もありました。LMEは3月8日の取引を停止するとともに、2022年3月8日午前0時00分（英国時間）以降に執行された取引も取り消しました。これらの取引の取り消しを受けた高値は100,000ドル超ではではなく、55,000ドルとなりました（チャートを参照）。

ニッケルで巨額のショート・ポジションを構築していた中国の大物実業家は突然数十億ドルもの損失を被ったことが明らかになっています。ニッケル市場は今回のシステミック・ショックを乗り越えると見ていますが、対ロシア制裁の予測不能で予期しない結果を浮き彫りにしています。MSCI World Indexをまだ弱気市場とみなしていない株式投資家をはじめ、あらゆる者がこれらの価格シグナルを真剣に捉える必要があります。ニッケル市場の副次的な影響と炭酸リチウム価格の高騰がTeslaを含む電気自動車メーカーに巨大な圧力をかけており、Tesla株は最高値から36%反落しています。

国際女性デーと女性リーダー

3月8日は国際女性デーで、女性の文化的、政治的、社会経済的な功績を称える毎年恒例のイベントです。今年のテーマは「BreakTheBias」と呼ばれ、女性の平等と、バイアス、固定観念や差別のない世界に焦点を当てています。当社は、3月8日のイベントを、1月末に導入した女性リーダーというテーマバスケット（下の票の構成要素を参照）を強調する足掛かりとして利用しています。女性リーダー・バスケットに関する凡例で説明したとおり、先進国の主要2,600社の中で女性の占める比率は極めて低く、（取締役以外の）常勤の企業幹部に占める女性の比率は世界全体で14.3%にすぎません。これは驚くほど低い比率で、2022年になっても女性には戦うべき理由が多くあることを物語っています。