過去からの反響
昨日(11月22日)発表された米国の10月先行指標は前月比-0.8%と、世界経済が世界的な信用・銀行危機から抜け出せなかった2009年3月以来、パンデミックを除けば最悪の前月比変化となった。その6か月平均は、米国経済が公式にリセッションに突入し、それが最終的に大金融危機に発展した2007年12月と同じレベルです。最近の当社の株式レポートで述べましたように、ユーロコイン指標(ユーロ圏のリアルタイムGDPを追跡したもの)はすでに欧州経が景気後退に突入していることを示しており、現在、米国の先行指標は米国経済が後退に近づいていることを示唆しています。
この種の分析の難しさは、世界経済が複雑なシステムであるため、景気後退の力学が時々刻々と変化することです。つまり、過去の景気後退を的確に示した先行指標が、次の景気後退を必ずしも正しく捉えるとは限らないということです。いずれにせよ、金利ショックで欧米の景気は急速に減速し、中国が奇跡のように景気浮揚に成功しない限り、景気後退を回避することは困難であると言えます。問題は、どのような景気後退になるかです。浅く短期間で終わるのか、それとも深く長くなるのか。ただ、少なくとも景気後退がどの程度になるかはともかく、先行指標の低下は、来年の企業収益が減少し、
2023年も株式と投資家にとって困難な年になるという当社の予測を裏付けています。