株式
サマリー: リスクオフの動きは米国株式市場以上に暗号資産市場に影響が出ています。ビットコインは2017年バブルの高値近くに押していて、2万ドルを割り込むと更なるリスクオフ相場となるリスクも高まります。今回はビットコイン保有額が大きなマイクロストラテジーとテスラについて今後の下値の目途を考えることとします。
今週も米国個別株CFDを2つピックアップしますが、今週はビットコイン急落の影響を受けやすい銘柄としてマイクロストラテジー(MSTR.xnas)とテスラ(TSLA.xnas)の2銘柄を取り上げます。
まず、ビットコインの対ドル価格を5年チャートでご覧ください。価格はCMEのビットコイン先物の取引参照価格であるCMEビットコインリアルタイム指数です。
今週の安値は20086.40ドルと2017年12月につけた最初のビットコインバブル時の高値と同水準にまで押してきました。最高値68964.00からの下げ幅は7割を超える下げ幅です。チャートを見てもビットコインバブル第2幕の終了といった形と言えるでしょう。
そして今回扱う銘柄は以前も取り上げた銘柄で、米国の上場企業としてビットコイン保有額が1位と2位の企業です。
(1)マイクロストラテジー(MSTR.xnas)
マイクロストラテジー(MSTR.xnas)は、米国上場企業第1位のビットコイン保有額となっていて、14日付ブルームバーグの記事によると「同社は過去2年間で約13万ビットコインを蓄積。平均購入価格は3月31日時点で3万700ドル」となっていて、直近のビットコイン急落で評価損が10億ドルに近づいたようです。
更にもし21000ドルを割り込むようであれば3月に借りたローンの追加担保の差し出しが必要になるとのことで、これ以上のビットコイン下落は同社の経営的にも大きな問題となってきました。
週足チャートをご覧ください。
既にテクニカルなポイントはことごとく下抜けしてしまっているため、現時点でのターゲットはコロナショック時の安値90.00ドルまで目立ったサポートがありません。今後、ビットコイン価格が下げる動きが再燃してくる時には同水準を目指すような動きになったとしてもおかしくはないでしょう。
(2) テスラ(TSLA.xnas)
テスラ(TSLA.xnas)は、米国上場企業第2位のビットコイン保有額となっていて、イーロン・マスク氏にビットコイン投資を勧めたのがマイクロストラテジーCEOのマイケル・セイラ―氏でした。当然テスラのビットコイン含み損も大きくなっていて、twitterのTOBに影響も出てくる(TOB価格の引き下げ要求など)可能性がありそうです。
こちらも週足チャートを見てみましょう。
テスラは本業が好調ですからマイクロストラテジーのような下げにはなっていませんが、昨年高値から直近安値までの調整幅はちょうど5割に達したところです。ナスダック100に比べても調整幅はかなり大きい状態です。
テクニカルには高値からの逆N波動で100%エクステンション水準で下げ止まっていますので、下げ止まりそうではあるものの、現在のリスクオフ相場におけるビットコインの動きを考えると、昨年安値539.49を試しに行く動きとなってもおかしくはありません。しばらくは買いにくい銘柄のひとつですが、テスラに関しては500~550ドルに下げたら長期目線で買いたいという投資家は結構多い様子です。