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Chief Investment Strategist
サマリー: 韓国は、半導体から造船まで多数の景気循環産業を抱えていることから、世界経済の先行きを示す指標となっており、韓国の株式市場が低調な時には投資家は注意が必要です。KOSPI200 Indexはここ三週間で12.5%も急落しており、世界経済の急速な冷え込みを示唆しています。また、「Terra」の暴落の影響も波及しています。
時には韓国が重要な指標に
世界的な景気後退のたびに韓国が話題に上るのは、韓国経済が世界中への輸出を原動力とする最もプロシクリカル(景気循環増幅的)な経済の一つだからです。そのため、韓国は世界経済の先行指標として利用されているのです。中国にも同じような特徴がありますが、韓国の金融システムのほうが自由に運営されているため、シグナルとしての利点が大きいと言えます。
韓国の主要株価指数であるKOSPI 200 Indexは、ここ三週間で12.5%下落し、2021年6月下旬の高値から30%下落しています。これに関してさらに興味深いのは、2021年後半のFRBの方針転換やインフレに関する話題よりも前に、韓国株が弱気シグナルを発していたという点です。また、最近の韓国株の下落と同時に、韓国のTerraform Labsが運営する暗号通貨「Luna」とそれに関連するステーブルコイン「TerraUSD」(USTとも呼ばれる)の暴落も起こりました。この暗号通貨の暴落は国を揺るがしており、韓国政府が暗号資産業界への大幅な規制強化を検討する中、Terraform Labsの従業員と元従業員は出国を禁じられています。
また、非金融業の信用スプレッドが2011年以来最も拡大しており、2020年のパンデミックによるピーク時を上回る水準にまで達しています。韓国の状況は明らかな警告のシグナルであり、米国の先行指標の6ヶ月平均が2020年以来初めて前月比でマイナスになったこと(21日のエクイティノートを参照)とも相まって、世界の景気が急速に悪化していることを示唆しています。