インパクト投資の影響力 - The impact of Impact Investing インパクト投資の影響力 - The impact of Impact Investing インパクト投資の影響力 - The impact of Impact Investing

インパクト投資の影響力 - The impact of Impact Investing

ESG
Ida Kassa Johannesen

Head of ESG investments, Saxo Bank.

サマリー:  インパクト投資は、経済的利益とともに、環境や社会に測定可能なプラスの影響を与えることを目指します。インパクト投資家は社会/環境に対する動機があり、収益を上げると同時に社会的利益を追求したいと考えています。グローバル・インパクト・インベスティング・ネットワーク(GIIN)によると、これは責任投資の中で最小のセグメントであり、2021年12月時点で全世界での運用資産は1兆1600億ドルとなっている。インパクト投資を、経済的利益ではなく社会的利益だけを追求する慈善活動(フィランソロピー)と混同しないよう、注意が必要です。


※本レポート内日本語は、ご参考情報として原文(英語)を機械翻訳したものです。

資本のスペクトル



出典 Bridges Fund Management (2014), PRI (2013), RISS (2019), UK NAB (2017), Impact Management Project (IMP) (2018)より引用。Approach.png (2048×1152) (phenixcapitalgroup.com)


他の責任投資アプローチとは異なり、インパクト投資では、インパクトは意図的で、測定可能で、追加的でなければならない。

歴史的に、インパクト投資は、プライベート・エクイティ、プライベート・デット投資(グリーンボンドやソーシャルボンド)、インフラや不動産などの実物資産に関連するもので、富裕層や機関投資家向けのものであった。近年、個人投資家向けの公募市場では、純粋なインパクト投資マネジャーや老舗の大企業が着実に実績を伸ばしている。具体的なテーマとしては、再生可能エネルギー、ヘルスケア、持続可能な農業、手頃な価格の住宅、マイクロファイナンスなどがある。

なぜインパクト投資なのか

あらゆる投資は、プラスにせよマイナスにせよ、社会や環境に影響を与える可能性を秘めている。投資の選択は主に金銭的な利益によって行われますが、それが人々や地球を犠牲にするものであってはなりません。経済的なリターンに加え、社会や環境にプラスの影響を与える投資であるべきだと考え、この考えを受け入れる投資家が増えている。

例えば、インパクト投資では、(i) 気候変動と闘うための温室効果ガスの排出削減、(ii) 生物多様性の喪失に対抗するための森林伐採の停止または減速、(iii) 関連する貧困や暴力に対処するための社会的不平等の解消を目指すことができる。インパクト投資は、ポジティブな変化をもたらし、世界で最も緊急な課題に取り組むための資金を提供する企業を優先的に投資する。この投資手法は、気候変動対策、清潔な水、ジェンダー平等、教育など、国連が掲げる17の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援するものである。インパクト投資の意義は大きい。マッキンゼーの調査によると、インドだけでも6,000万~8,000万人、フランスの人口に匹敵する人々がインパクト投資によって利益を得ている。"

低パフォーマンスであるという風説

インパクト投資戦略のリターンは、投資の種類、セクター、規模、地域、時間軸、アプローチによって、市場競争力のあるリターンから市場以下のリターンまで幅がある。2020年GIINの調査によると、インパクト投資家の大半は市場競争力のあるリターンを目標としている。このような投資家のうち、ポジティブな社会的・環境的インパクトと引き換えに、市場以下のリターンを受け入れる投資家は少数派である。

リスクとその他の考慮事項

  1. 他の投資と同様、インパクト投資にも市場リスク、つまり資産価値が減少するリスクがあります。投資先企業の所在地によっては、政治的リスクや新興市場リスクに直面する可能性もあり、流動性の低下や財務、法律、社会的安定性の欠如につながります。

  2. インパクト投資への需要と関心の高まりにより、インパクト戦略への資金流入が大きくなっており、社会や環境に積極的に貢献している一部の企業のリターンが膨らむ一因となっている可能性がある。そのため、インパクト投資への需要が減少すれば、パフォーマンスに悪影響が及ぶ可能性がある。

  3. インパクト投資は、企業やファンド・マネジャーが自社の製品やサービスが社会や環境に与える影響を誇張する、インパクト測定やインパクト洗浄に関する課題に直面している。インパクト測定の基準がないため、どのように測定し報告するかがもう一つの課題である。

  4. インパクト戦略では、化石燃料や採掘公益事業など特定のセクターを意図的に除外しているため、市場全体と比較してセクターに偏りが生じることが多い。このため、ファンドとベンチマークの間に大きなトラッキング・エラーが生じる可能性があります。

  5. インパクト投資は、投資家の関与が必要な積極的な意思決定であることは注目に値する。従って、投資の前後を問わず、企業やファンドのディスクロージャーやインパク ト・レポートを確認し、投資のインパクトを理解する努力が不可欠である。インパクト投資家は、例えば、どれだけの雇用が創出されたのか、どれだけの二酸化炭素が削減されたのか、どれだけの食事が提供されたのか、その他社会的/環境的優先事項があれば、投資先のインパクトについて問い合わせることができる。
 
Impact Investing seeks to have a measurable and positive impact on the environment and society alongside financial returns. Impact investors are socially/environmentally motivated and want to do good while making money. It is the smallest segment of responsible investments with USD 1.16 trillion in AUM worldwide as of December 2021 according to the Global Impact Investing Network (GIIN). Impact Investing should not be confused with philanthropy, which only seeks social returns, not financial returns.

The spectrum of capital

Source: Adapted from Bridges Fund Management (2014), PRI (2013), RISS (2019), UK NAB (2017), Impact Management Project (IMP) (2018). Approach.png (2048×1152) (phenixcapitalgroup.com)


Unlike other approaches of responsible investing, with Impact Investing, the impact must be intentional, measurable, and additional, which means that the impact would not have been achieved without the investment.

Historically, Impact Investing was associated with private equity, private debt investments (green and social bonds), and real assets such as infrastructure and real estate, and was reserved for high-net-worth individuals and institutional investors. Recently, the public market offering for retail investors has grown steadily from pure-play Impact Investing managers and larger, well-established firms. Specific themes include renewable energy, healthcare, sustainable agriculture, affordable housing and microfinance.

Why invest for impact

Every investment has the potential to impact society or the environment, either positively or negatively. While the choice of an investment is primarily driven by financial gains, it shouldn't come at the expense of people and the planet. An increasing number of investors embrace this idea, believing that investments should, in addition to offering financial returns, positively affect society and the environment.

With Impact Investing, for instance, one can aim to (i) reduce greenhouse gas emissions to combat climate change, (ii) halt or decelerate deforestation to counteract biodiversity loss, and (iii) diminish social inequalities to address associated poverty and violence. Impact Investing prioritises companies that make a positive difference and provide capital to tackle some of the world's most urgent challenges. This investment approach supports achieving several of the UN's 17 Sustainable Development Goals (SDGs), including climate action, clean water, gender equality, and education. The significance of Impact Investing is profound. A McKinsey study revealed that in India alone, impact investments benefit 60-80 million people, equivalent to the population of France.”

The myth of underperformance

The returns of Impact Investing strategies range between competitive market returns and below market return, depending on the type of investments, the sector, size, geography, time horizon and approach. According to a 2020 GIIN' survey, the majority of impact investors target competitive market returns. Only a minority of these investors are willing to accept below-market returns in exchange for a positive social and/or environmental impact.

Risks and other considerations

  1. Similar to any investment, with Impact Investing, there's market risk, the risk that the value of your assets decreases. Depending on the locations of the investee companies, you might also face political and emerging market risks, leading to reduced liquidity and a lack of financial, legal, and social stability.

  2. The growing demand and interest for Impact Investing has led to large inflows into impact strategies and this can contribute to inflated returns for some companies that contribute positively to society and the environment. There is therefore, a possibility that if the demand for Impact investing goes down, performance might be negatively affected.

  3. Impact Investing faces challenges related to impact measurement and impact washing, where companies or fund managers exaggerate the impact their products or services have on society and the environment. With no standards for measuring impact, another challenge is how to measure and report it.

  4. As impact strategies deliberately exclude certain sectors, such as fossil fuels and extractive utilities, there's often a sector bias compared to the broader market. This can lead to a significant tracking error between a fund and its benchmark.

  5. It is worth noting that Impact Investing is an active decision that requires some involvement from investors. Therefore, it's essential to make an effort, both before and after investing, to understand the impact of one's investment by reviewing companies and funds' disclosures and impact reports. Impact investors could enquire about the impact of their investments by for example asking, how many jobs were created, the amount of carbon saved, the number of meals served, or any other social/environmental priorities.

最新のレポート


口座開設は無料。オンラインで簡単にお申し込みいただけます。 

最短3分で入力完了!

【ご留意事項】

■当資料は、サクソバンクグループのアナリストによるマーケット分析レポートの転載、もしくは外部のアナリストからの寄稿となっております。
■当資料は、いずれも情報提供のみを目的としたものであり、特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
■当資料は、作成時点において執筆者またはサクソバンク証券(以下「当社」)が信頼できると判断した情報やデータ等に基づいていますが、執筆者または当社はその正確性、完全性等を保証するものではありません。当資料の利用により生じた損害についても、執筆者または当社は責任を負いません。 
■当資料で示される意見は執筆者によるものであり、当社の考えを反映するものではありません。また、これら意見はあくまでも参考として申し述べたものであり、推奨を意味せず、また、いずれの記述も将来の傾向、数値、投資成果等を示唆もしくは保証するものではありません。 
■当資料に記載の情報は作成時点のものであり、予告なしに変更することがあります。 
■当資料の全部か一部かを問わず、無断での転用、複製、再配信、ウェブサイトへの投稿や掲載等を行うことはできません。
■上記のほか、当資料の閲覧・ご利用に関する「免責事項」をご確認ください。 
■当社が提供するデリバティブ取引は、為替相場、有価証券の価格や指数、貴金属その他の商品相場または金利等の変動によって損失を生じるおそれがあります。また、お預けいただく証拠金額に比べてお取引可能な金額が大きいため、その損失は、預託された証拠金の額を上回る恐れがあります。
■当社が提供する外国証券取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。手数料については、「取引金額×一定料率」又は「取引数量×一定金額」で求めた手数料が一回の取引ごとに課金されます。ただし手数料の合計額が当社の定める最低手数料に満たない場合は、手数料に代えて最低手数料を徴収させていただきます。また取引所手数料等の追加費用がかかる場合があります。 
■取引にあたっては、取引説明書および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。 
■当社でのお取引にかかるリスクやコスト等については、 こちらも必ずご確認ください。

サクソバンク証券株式会社
Saxo Bank Securities Ltd.
Izumi Garden Tower 36F
1-6-1 Roppongi Minato-ku
Tokyo 106-6036
〒106-6036 東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデンタワー36F

お問い合わせ

国・地域を選択

日本
日本

【重要事項及びリスク開示】

■外国為替証拠金取引は各通貨の価格を、貴金属証拠金取引は各貴金属の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、売買の状況によってはスワップポイントの支払いが発生したり、通貨の金利や貴金属のリースレート等の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■外国為替オプション取引は外国為替証拠金取引の通貨を、貴金属オプション取引は貴金属証拠金取引の貴金属を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。また、オプションの売り側は権利行使に応える義務があります。
■株価指数CFD取引は株価指数や株価指数を対象としたETFを、個別株CFD取引は個別株や個別株関連のETFを、債券CFD取引は債券や債券を対象としたETFを、その他証券CFD取引はその他の外国上場株式関連ETF等を、商品CFD取引は商品先物取引をそれぞれ原資産とし、それらの価格の変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、建玉や売買の状況によってはオーバーナイト金利、キャリングコスト、借入金利、配当等調整金の支払いが発生したり、通貨の金利の変動によりオーバーナイト金利が受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■上記全ての取引においては、当社が提示する売価格と買価格にスプレッド(価格差)があり、お客様から見た買価格のほうが売価格よりも高くなります。
■先物取引は各原資産の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。
■外国株式・指数オプション取引は、対象とする有価証券の市場価格や対象となる指数、あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動、指数の数値等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする有価証券の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式・指数オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式・指数オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式・指数オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。さらにこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式・指数オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。
■取引にあたっては、契約締結前交付書面(取引説明書)および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
手数料:各商品の取引手数料についてはサクソバンク証券ウェブサイトの「取引手数料」ページや、契約締結前交付書面(取引説明書)、取引約款等をご確認ください。