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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 今週は円建て金を取り上げますが、円建ての場合は金価格の影響と為替相場の影響と2つの要因がミックスしますので、展開を考える際にはそれぞれの材料を考えた上で総合的に判断する必要があります。現在は米金利上昇が金にとっては悪材料、為替にとっては円安材料と相殺しあう方向ですが、ここからの展開はどのようになるでしょうか。また金地金価格の算出方法も併せて紹介します。
サクソバンク証券で金取引は対ドルだけでなく、対ユーロ、対円、対スイスフラン、対豪ドルでも取引が可能です。今回はこれらの中から円建て金(XAUJPY)を取り上げますが、最近のドル建て金は1800ドル台で方向感がはっきりしない流れの中で、円建て金は円安の影響もあって比較的強い値動きとなっています。
円建て金(XAUJPY)で注意が必要な点は、対ドル同様に1トロイオンスあたりの価格となっているため、国内でよく見るグラム当たりの価格とは異なる点です。具体的に見てみましょう。地金商で有名な田中貴金属の金価格を見ると6月23日午前9時半に公表された金価格は買値8778円・売値8888円となっていますので、中値は8833円です。
同じ時刻のサクソバンク証券の円建て金(XAUJPY)は249,877円です。1トロイオンスは31.1035グラムですから、割ってあげると8033.73です。地金には消費税がかかりますので10%乗せると8837円となり、わずか4円の誤差と一致していることがわかります。地金価格が適正かどうかチェックすることもできますね。
さて、円建て金(XAUJPY)ですが、まず金は安全資産の代表ということでリスクオフ時に買われやすいと言われます。実際に2月24日のロシアによるウクライナ侵攻時には大きく上昇しましたし、その前後の緊張が高まっていた時も一貫して金は強い流れでした。しかし、資産として考えた場合、金には金利が付きませんので、米金利上昇は金にとっては悪材料です。3月以降の金価格下落の最大の要因となりました。
ここに為替の円相場の要因が加わってきますので複雑ですが、金の要因と為替要因を分けて判断する方がよいでしょう。現在は金価格は落ち着いているものの米金利の一段高が上値を抑えやすいと言えますし、円相場では金利上昇がドル高・円安要因となっています。トータルで考えると、金利要因は相殺していますが、5月下旬からの円相場における円安加速が円建て金では下支え要因になっていると言えます。
テクニカルには週足チャートをご覧ください。
今年4月18日に史上最高値をつけましたが、金地金では1グラム8843円(税込)、サクソバンクのトロイオンス建てで254,205円です。その後いったん下げていますが、円安の動きで改めて最高値に近づく展開となってきました。
7月の米国利上げは織り込んでいますし、日本は先進国で唯一緩和継続であることを考えると、あらためて史上最高値を試しに行く展開は十分に考えられるところです。また最近はあまり材料視されなくなってきたウクライナ情勢も長期化しそうなことを考えると、押し目買いが入りやすい地合いにあると言えそうです。