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チーフ・インベストメント・ストラテジスト
米国の例外主義が衰退し、マグニフィセント7のリーダーシップが希薄化するリスクについては、別の記事で述べました。これが、グローバル市場でのリスクオフのセンチメントにつながり、安全資産への殺到につながっています。
市場が不安定になると、一部の投資家は現金に手を伸ばします。また、可能な限りスムーズな自己のポートフォリオの運用を求める人もいますが、そこで出番となるのが低ボラティリティ株です。これらの企業は、安定した収益、強固なバランスシート、そして市場全体と比較してよりうまく経済の混乱を乗り切った歴史を持つ企業です。
ここで、低ボラティリティで高配当の株が挙げられます。これらの株式はベータ値が低い傾向があり、市場全体と比べて株価の変動が劇的に少ない一方で、魅力的な配当利回りも提供しています。この組み合わせにより、元本棄損リスクが高ボラティリティ株に比べて少なくなり、安定したキャッシュフローを実現できるため、自己防衛的な投資家にとって優れた選択肢となります。
ボラティリティ(価格などの変動率)は、特に市場の低迷期には、投資家にとって最悪の敵となることがよくあります。低ボラティリティ株は、価格などの状態を維持する傾向があり、ポートフォリオ全体のリスクを軽減します。これらの銘柄は通常、公益事業、生活必需品、ヘルスケアなど、景気サイクルに関係なく需要が安定している業界で見られます。
株式のベータは、市場の動きに対する感応度を測定します。ベータが1を下回ると、市場全体に比べてボラティリティが低いことを示しており、これらの銘柄は弱気市場での下落が少なく、強気市場でも(ディフェンシブセクター以外の銘柄に比べて)程度は小さいものの上昇基調に参加する傾向があります。
配当金を支払う株式は、市場の低迷時でも投資家に定期的な収入を提供することで、より一層の安全性を提供します。強力で持続可能な配当を行っている企業は、多くの場合、健全なバランスシートや安定した収益を持ち、株主への価値還元についての責任ある公約をしています。利回りの高い株式は、価格下落を相殺し、時間の経過とともにトータルリターンを向上させるのに役立ちます。
Bloombergで、以下の基準に基づいて、ディフェンシブ株式のスクリーナーを実施しました。
このディフェンシブな特性に合う傑出した銘柄がいくつかあります。ここでは、セクター別にグループ化されたいくつかの注目すべき銘柄を示します。
出所:Bloomberg
リスク管理と収入のバランスを求める投資家にとって、低ボラティリティで高配当の株式をポートフォリオに組み入れることは、ポートフォリオの分散化に寄与する賢明な判断となるでしょう。これらの株式は、市場の低迷時に株価の暴落による損失を軽減する保護(ダウンサイド・プロテクション)を提供しながら、配当を通じてリターンを生み出します。
リスクのない投資はありませんが、これらの銘柄は、利回りを犠牲にすることなくボラティリティを最小限に抑えたいと考えている人々にとって説得力のある事例を示しています。安定したキャッシュフローと持続可能な配当を行う企業に注目することで、投資家は今日の不確実な市場環境において、より回復力のある(レジリエンスのある)ポートフォリオを構築することができます。