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サマリー: 米国の株式および債券市場は、米消費者物価指数(CPI)が発表されるまでの間、方向感の乏しい展開となりました。しかし、ウィリアムズFRB議長のタカ派的な発言は、資産市場全体に重くのしかかりました。米国の債務上限問題は政治的行き詰まりを迎えていますが、バイデン大統領とマッカーシー下院議長らの会談後も特に目立った進展は見られませんでした。4月は中国の輸入が大幅に減少し、同国の持続的な景気回復に対する懸念は高まっており、中国からのコモディティ需要が急速に拡大するとの期待に水を差しました。しかし、米国が戦略的備蓄の補充を計画していることから、原油価格は上昇しました。
※本レポートは自動翻訳を一部修正したものです。原文と和訳に齟齬がある場合は原文が優先されます。
米国の主要株価指数は、水曜日に発表される予定の消費者物価指数(CPI)を前に様子見姿勢が強まりレンジ相場となりました。S&P500は0.5%、ナスダック100は0.7%それぞれ下落しました。素材、情報技術、ヘルスケアセクターの下落がS&P500の重しとなる一方、資本財セクターは0.2%上昇しました。地銀株は幾分落ち着きを取り戻し、SPDR S&P Regional Banking ETF(KRE:arcx)は0.4%下落して取引を終えました。ビッグデータ分析のPalantir Technologies(PLTR:xnys)は、ソフトウェア開発会社がAI製品についてポジティブなガイダンスと見通しを示したため、23.3%急騰しました。
バイデン大統領とマッカーシー下院議長との債務上限問題に関する会談は、特に進展がないまま終了しました。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、今年中に利下げが行われるとの考えを否定しました。ウィリアムズ総裁のタカ派的なコメントは、SOFR((担保付翌日物調達金利)先物の重しとなりました。国債市場では、400億ドル規模の3年債入札(ニューヨーク時間午後1時)を前に、売り(利回り上昇)が集中しました。今回の入札は過去5年間で最も高い応札倍率となり、入札期限の水準より3bps高く落札されるという好調な結果となりました。この入札結果を受けて米2年国債は取引序盤の下げ幅を縮小し、4.07%を付けた後、2bps高の4.02%で取引を終えました。米10年国債利回りは1bp上昇し3.52%となりました。本日は、米4月消費者物価指数(CPI)の発表が注目されます。
中国の4月の輸入が米ドルベースで7.9%減少したことを受け、中国の景気回復が勢いを失っていることへの懸念が高まり、株価の重しとなりました。香港と本土の株式市場は、昼休み後に中国の輸入のデータを受けて急落しました。ハンセン指数は2.1%下落し、CSI300は0.9%下落して取引を終了しました。
Hang Seng TECH Indexは、EV関連銘柄や中国のインターネット関連銘柄の下落を受けて、3%下落しました。中国の4月乗用車販売が前年同期比55.5%増に達したとの新たなデータが公表されたものの、自動車株は軒並み下落しました。中国のインターネット関連銘柄は、Tencent (00700:xhkg)やAlibaba (09988:xhkg)が3%を超える下落となり、ほぼ全面安となりました。
中国では、家庭向け天然ガスの規制料金の引き上げがより広範に適用されるとの見通しを受けて、Hong Kong and China Gas (00003:xhkg)は6.3%、China Resources Gas (01193:xhkg)は2.3%それぞれ上昇し、家庭用ガス供給会社の株価は市場の動きに逆行しました。
A株では、半導体とメディア関連の銘柄が下落率上位でした。前の取引セッションでアウトパフォームしていた国有企業やノンバンク銘柄は、火曜の取引で失速しました。
米ドルは、債務上限問題の長期化やFOMCで投票権を持つ米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁のタカ派的な発言を受けて利回りが上昇し、小幅に買われる展開となりました。EURUSDは、本日の米CPIの発表を前に、重要な節目となる1.10を下回っており、ドル/円は135円を上回る水準にとどまって推移しています。今週のイングランド銀行の会合を前にGBPUSDは年初来高値の1.2669付近で推移しており、他の主要通貨をアウトパフォームしています。中国の貿易データは力強さに欠け、AUDUSDは0.68を上回ることが困難な状況が続いています。
原油価格は、4月の中国の輸入統計が前月比18%減、前年同月比1.45%減という弱い内容だったことから、火曜日の初めに下押し圧力がかかりました。しかし、米国の戦略石油備蓄(SPR)の補充の計画が発表されると、上昇に転じました。米国のSPRは、ロシアのウクライナ侵攻後に政府が180mblを放出した後、足元で40年来の低水準にあります。米エネルギー省は、直接購入の他にも今年初めの供給混乱に直面した製油所から要請されている過去の取引に係る返却分も石油備蓄の一部に含まれると述べています。一方、カナダでは供給の混乱が続いており、ロイター通信によると、山火事による石油生産への影響は319kb/dに拡大したと報告されています。WTIは73.50ドルを上回り、ブレントは77.50ドルを試す展開となっています。
主なポイント
バイデン大統領は、共和党のケビン・マッカーシー下院議員とミッチ・マコーネル上院内総務らがホワイトハウスでバイデン大統領と会談した際、双方が債務上限問題の新たな打開策に至らなかったことから、バイデン大統領は火曜日(9日)に共和党トップ議員との会談で米国のデフォルトは「選択肢ではない」ことを明確にしたと述べました。両者は金曜に再び会談する予定であり、ボラティリティの高まりが継続する可能性があります。当グループはこちらのレポートで起こり得るシナリオと市場に及ぼす影響について指摘しています。
中国の4月の輸出(米ドルベース)は前年同月比8.5%増と予想の8.0%増を上回ったものの、前月の14.8%増から大きく減速しました。輸出先別では、日本向けが前年同月比11.6%増と3月の同4.4%減から改善したほか、ロシア向けも持ち直しました。一方、ASEAN向けは3月の前年同月比35%増から4月は同5.3%増と大幅に減速しました。
最大のサプライズは、中国の輸入が米ドルベースで予想の0.2%減に対して7.9%減となったことで、同国の景気回復が予想されていたよりも力強さに欠けるとの懸念が高まっています。また、4月の原油輸入量は米ドルベースで26.8%減、数量ベースで1.4%減と大幅に減少しました。その他にも大豆の輸入量は数量ベースで前年同月比10.1%減となり、今年に入って初めてマイナスに転じました。
FRBは先週、政策についてデータに依存する形で行われるスタンスを示唆し、次回会合で一時停止する可能性が高まっています。パウエル議長が年内の利下げはないと明言したにもかかわらず、市場は引き続きFRBが今年中に積極的な利下げに動くと予想しています。おそらく市場は何かを察知しており、その答えは銀行危機や債務上限交渉にあるのかもしれません。しかし、FRBに対する現在の市場価格を正当化するためには、インフレ率が大幅に低下する必要があります。ブルームバーグのコンセンサスでは、コアCPIは前年比5.5%、前月比0.4%と予想されており、前回の前年比5.6%、前月比0.4%から変更されています。当社のFX戦略責任者であるジョン・ハーディは、過去4回のCPI発表における主要通貨ペアの反応関数をまとめました。コア指数が予想を上回ることは米ドルにとってポジティブであり、その場合米ドル円は136ドル台を試す可能性がありますが、NASDAQ100を中心に株式市場にリスク回避の流れを引き起こす可能性があります。一方、軟調な結果となった場合、米ドル円は再び134円台まで下落し、安心感を支えに株式市場は上昇する可能性があります。
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