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サマリー: 投資を始めようとしても、何から始めればいいのか分からないことがあるはずです。そのような方のために、当社は株式取引を始めるための総合的なガイドを作成しました。
最近は、あちこちで投資の話を耳にします。現在、世界で株式を所有し取引する人の数は記録的な水準に達しており、アメリカ人の55%、イギリス人の33%が企業の株式を直接所有しています。欧州では、初めて株式に投資する人の数が急増しています。Financial Timesによると、2021年には、オランダでは初めて株式を所有した人の数が前年比17%増の175万人となり、フランスでは40万人が初めて株式を購入したということです。
それと同時に、2020年から2021年にかけての歴史的な株式相場の上昇が、記録的な新規参入を後押ししました。Halifaxによると、このような動きは特に若年層で顕著であり、英国では昨年、初めて株式投資した人が6人に1人という記録的水準に達しました。
もし投資に足を踏み入れようと考えていて、何から始めたらいいのか分からないのであれば、当社がお手伝いします。
当社で口座を開設し、ご自身で株式の取引を始める前に、株式の投資・取引方法に関するこの初心者向け総合ガイドを必ずお読みください。
まず最初に、株式とは何か、なぜ株式が属する企業が経済の重要な部分を占めているのかを正確に説明したいと思います。また、なぜどの投資家も株式について考えるべきなのかも説明したいと思っています。“stocks”と“shares”という言葉は、特定の企業の所有権の一部を表すためによく同じ意味で用いられます。ただし、2つの用語の意味には微妙な違いがありますので覚えておくと良いでしょう。
“stocks”と言えば、通常、普通株のことを指します。これは、買うことができる企業の所有権の配分を表します。普通株を購入すると、株主は議決権を行使して企業の発言権を持つことができるとともに、配当として利益を請求することもできます。
一方、“shares”は、企業の株式の額面金額を表す、より専門的な用語です。企業に投資するとき、実際に行うのは、ある数の“shares”を買うことであり、それにより、その企業の“stock”を所有していると言えるのです。
全ての大企業が、一般の人々が購入できるように株式を公開しているわけではありません。ロンドン証券取引所やニューヨーク証券取引所などの公開証券取引所に上場している企業だけが対象となります。このような取引所に上場するには、まず新規株式公開(IPO)を行う必要があり、それを経て公開企業になります。通常、トレーダーが買うことができるのは、証券取引所の上場条件を満たす非常に大規模な企業の株式だけです。
世界中の数百万人もの人々が毎日株式を売買しています。当社では、お客様に合ったポートフォリオを構築していただけるように、米国株式から欧州の株式、中国の株式まで、多くの企業の株式を直接購入する機会をお客様に提供しています。人々が株式を売買するのは、次のような多くの理由があります。
投資家は株式を購入し、数ヶ月あるいは数年間保有することで、資産価値および全体的な財産や純資産の長期的な成長から利益を得ることを目的としています。
歴史的に、これは達成可能な目標であることが実証されてきました。このことは、時価総額や業種で分類された特定の銘柄群のパフォーマンスを測定する様々な主要株価指数を見れば分かります。広く追跡されている指数の一つはS&P500で、米国の主要上場企業500社の株価パフォーマンスを追跡するものです。過去30年間に、S&P500は年平均成長率10.7%を達成してきました。
当然ながら、これはS&P500が数十年にもわたって一貫して成長してきたことを意味するものではありません。S&P500は著しい低迷や下落に何度も見舞われてきました。例えば、金融危機後の2008年の暴落や、世界的な新型コロナ流行後の2020年の暴落では、S&Pはわずか数日で25%以上下落し、最もよく知られた指数であっても相場低迷の影響を免れないことがはっきりと示されました。
こうした株価のピークと底を考えると、株式はポートフォリオの重要な部分になり得る一方で、リスクが高いことを再認識させられます。
短期的な目標を念頭に置いて株式を売買する人もいます。ある企業の株式を買う時、株価の上昇後に売却して利益を得ることを期待することもあります。
例えば、2021年12月20日にTesla株を1株900ドルで10株買い、12月27日に売却したとすると、その時点でTeslaの株価は1株当たり1,093ドルになっていました。株価は21.4%の上昇で、値上がり益は193ドル×10株で1,930ドルということになります
投資家は株式をすぐに売らずに利益を得ることもできます。一部の企業は株主に配当を出し、所有株ごとに一定の金額が支払われます。配当額は通常、四半期ベースまたは年間ベースで、前の期の企業業績に応じて決定されます。
例えばAppleは、2021年第3四半期の配当を1株あたり22セントとしました。つまり、Apple株を100株所有する株主は、何の労力も払わずに、0.22ドル×100株で22ドルの配当を受け取るということです。
時間とともに企業の株価が上昇するほど、投資家にとっての累積リターンは大きくなります。ある企業に10,000ドルを投資したと仮定します。最初の12か月で株価が10%上昇すると、値上がり益は10,000ドル×0.1=1,000ドルとなり、株式の価値は11,000ドルになるということです
この株式を保有し続け、翌年も株価が10%上昇するならば、値上がり益は11,000ドル×0.1=1,100ドルとなり、10,000ドルの投資が12,100ドル相当になるのです。このような値上がり益の増加は「複利効果」と呼ばれ、価格が上昇するたびに値上がり益が大きくなります。これは、多くの人が株式を買う主な動機になっています。
「投資」と「トレーディング」という言葉は同じ意味で使われることがよくありますが、認識すべき重要な違いがいくつかあります。まずは投資から説明しましょう。
「投資」には、株式の価値が時間とともに(通常は長期的に)上昇することを意図して株式を購入し、保有することが含まれます。投資家の間でよく言われるのは、「相場のタイミングを読むより待つことが勝る」ということです。つまり、基本的に計算が不可能な安値で株式を買い高値で売ることで「市場に勝つ」ことを目指すよりも、資産を買って長く保有する方が優れているということです。
一方、株式のトレーディングは少し異なります。トレーディングを行う時は、通常、短期的な考えに基づきます。株式のトレーディングとは、相場のタイミングを計り、短期間で利益を得ることを目的として、資産価格に関する思惑で売買する行為です。
株式投資にはリスクが伴うことを念頭に置いておく必要がありますが、これには非常に重要なメリットもあります。例えば、以下のようなメリットがあります。
これは重要な点です。簡単に企業の株式を大量に買い、売ることができます。株式は、投資初心者にとって非常に難解であることが多い債券や金属などの資産と比べて、分かりやすい資産です。
前述した通り、一部の投資家にとって配当の可能性は非常に大きな動機になります。高配当株を買えば、企業が減配しない限り(新型コロナ危機中には減配がありました)、受動的利益を積み上げていくことができます。所有する株式数が多いほど、配当の時期に受け取る金額は多くなります。
インフレは現金の価値を低下させます。何年も銀行口座に資金を預けておくと、時間とともに現金の価値が大幅に低下する可能性があります。これまで見てきた通り、S&P500のような主要指標は、数十年間にわたり年平均リターンが10%を上回ってきました。2022年3月にはインフレ率が8.4%に達しているため、これを上回る可能性がある資産を購入するのが賢明と言えるかもしれません。
株式は、銀行金利を上回るリターンをもたらしますが、他の多くの資産と比べても長期的に高いリターンを上げます。例えば、金や債券などの資産のリターンは通常、優良株のリターンを大きく下回ります。長年にわたる高いリターンを求めるのであれば、株式が最も有効な方法であることが多いと言えます。
株式の売買や投資には常にリスクが伴います。利益が出る保証はなく、初期投資を回収できる保証もありません。投資をする際は、全ての株式取引にリスクが伴うことを認識する
銘柄によっては、その銘柄が属する業種やその企業が関与する地域の性質上、他の銘柄よりリスクが高いものがあります。例えば、原油や金属の生産企業などのコモディティ企業は、他の種類の株式にはないリスク、特に地政学的なボラティリティに関連するリスクにさらされています。特定の国や地域での紛争や危機によって原油価格が下落する可能性がありますが、同じ理由で特定のハイテク株が下落することはありません。
一方、リスクの高い国や地域への関与が大きい企業は、現地の政情が悪化した場合、相場急落の影響を受けやすいと言えます。投資家にとって重要なのは、特に長期投資ポートフォリオでは、このような高リスク資産への投資の配分を制限することです。
企業の株価が将来的にどうなるかを正確に予測することは不可能です。株価は上昇するかもしれませんが、同じくらい簡単に下落する可能性もあります。また、相場の暴落や企業の問題などの予想外の出来事が起これば、株価は下落し、同時に投資資産に悪影響を及ぼす可能性があります。
株式や資産クラスを分散させることで、このリスクを軽減することができます。また、市場の動向を常に把握し、それに応じて対処する先を見越した投資アプローチも有効です。
企業は成功を収めることもあれば、失敗することもあります。このことも、覚えておくべき重要なリスクです。企業が倒産して清算されると、その企業の株式は消滅することがあります。そうなると、その企業への投資は完全に無価値になります。経営難の企業の保有を前もって減らすことにより、投資家はこのリスクを軽減することができます。
インフレは、投資家が意思決定の際に考慮しなければならない常に存在するリスクです。インフレは様々な面で企業に打撃を与える可能性があります。インフレが進むと、企業の事業コストは増加します。それと同時に、利上げや財政引き締めなどのインフレ対策のための政府の政策により、一部の業界では、事業運営が難しくなり、コストがかさむこともあります。
その結果、株式の価値が低下することが多いため、インフレ期は株式ポートフォリオにとってマイナスになる可能性があります。そのようなわけで、経験豊富な投資家からは、インフレに対する「ヘッジ」をポートフォリオに組み込む必要があるという話を聞くことがよくあるでしょう。「ヘッジ」とは、インフレによって生じる貨幣の購買力の低下から投資家の財産を守ることができる投資を意味します。経済消費を刺激するためには健全なインフレ水準が不可欠であるため、逆に、ゼロインフレも株価に悪影響を及ぼします。
企業は常に、自社の利益と、法律や政府の要求とのバランスを取る必要があります。様々な面で、法的措置が株式投資に影響を与える可能性があります。反トラスト法違反訴訟の一環として企業に罰金が科される可能性があり、そうなれば、株価に悪影響を及ぼす可能性があります。政府は企業の資産を差し押さえたり、監査対象にしたりする可能性があり、それによって株価はさらに下落する可能性があります。これは、投資家がコントロールできず、それにもかかわらず負わなければならない多くのリスクの一つであるため、よく覚えておくべきことです。
株式は公開市場で自由に売買されます。従って、幅広い市場要因が株価に影響を及ぼします。効果的な投資戦略を立てるために、株価に影響する要因を常に把握しておくことが重要です。主な要因には、以下のようなものがあります。
企業が好調な決算を発表した場合や、一年先の楽観的な見通しを示した場合は、株価は上昇する可能性があります。また、その逆もあります。例えば、Microsoftが発表する2022年第3四半期の業績見通しが予想を下回った場合、そのニュースが投資家に伝われば、同社の株価は下落する可能性があります。
注目すべきなのは、「高い」パフォーマンスは通常、企業の利益ではなく、期待に比例するということです。ですから、Microsoftの決算が順調であっても、その利益が当初の予想を下回っていれば、株価は下落する可能性があります。
個々の企業の業績だけではなく、その企業が属する業界全体の業績も株価に影響を及ぼす要因です。例えば、石油産業に需要不足や供給のボトルネックといった広範にわたる問題があれば、ExxonMobilのような石油企業の株価は下落するはずです。
株価は往々にして人々の感情に完全に左右されるということを覚えておくべきです。これが、大まかに言って市場のセンチメントというものです。特定の企業や業界が今後うまく行くというのが一般的なセンチメントであれば、そのセクターの株式を買う人が増えるはずです。その結果、一種の自己実現的な予言になり、株価は上昇する可能性があります。Teslaなどの環境志向の企業でこのような動きが見られました。市場全体で低公害車の将来に対する楽観論が高まったのに伴い、Teslaの株価は2019年末から2020年末までに900%上昇しました。
各国または全世界の経済全般は、常に企業の株価に影響を及ぼします。そのため、2008年の世界同時不況時には世界の株価指数が大幅に下落し、多くの企業の株価が急落しました。逆に好景気の時には、株価は全体的に好調に推移する傾向があります。当然ながら、常にそうなるとは限らず、全般的な景気低迷にもかかわらず、株価が上昇する可能性もあります。2020年には、歴史的な経済の混乱にもかかわらず、株価指数は記録的な水準まで急上昇しました。
初心者は、少しずつ投資をスタートしたいはずです。投資経験を最大限に活かすために、最も一般的な株式取引のヒントを読んでおくと良いでしょう。ここでは、主なヒントをいくつか紹介します。