テクニカル・アップデート:米10年国債利回りは3.22%近辺に向けて低下;ユーロドル金利先物は上昇基調を辿る;英10年債はレンジ相場入りか

テクニカル・アップデート:米10年国債利回りは3.22%近辺に向けて低下;ユーロドル金利先物は上昇基調を辿る;英10年債はレンジ相場入りか

債券 4 minutes to read
KCL
キム・クレーマー・ラーション

テクニカルアナリスト

サマリー:  米10年国債利回りはサポートラインを下抜けて3.22%近辺まで低下する可能性があり、債券先物市場では、上値抵抗線の117に向けて上昇基調を辿っています。ユーロ Bund先物は、引き続き直近安値からの力強い相場の反転を維持しており、下落基調から強気トレンドへ転換しました。


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米10年債利回りは、昨日3.41%付近のサポートラインを下抜けて取引を終えました。利回りは、一段と水準を切り下げる展開となっており、200日移動平均線SMAを割り込み、リトレースメント0.618の3.22%に向けて底を試す可能性があります。これは、12月の調整局面におけるフィボナッチ・プロジェクションの水準(1.382)でもあります。

Source all charts and data: Saxo Group

米10年債先物は、115.375を上回って昨日の取引を終えた後、目先で上昇トレンドにあり、上昇チャネルのパターンを形成する可能性があります。
足元では200日移動平均線SMAを試す展開となっており、リトレースメント0.618となる117に向けて一段と上昇に向かう可能性が高いと見られます。
米10年債が115.375を上回って今週の取引を終えれば、中期的には下降トレンドから切り返したことになり、次の目線は117へと切り上がって行く可能性があります。117をクリアできずに、週足でRSIが60の閾値を上回ることなく終われば、再び売られる公算が大きいでしょう。

ユーロ Bund先物は、RSIが60を上回っていることや、ボリンジャーバンドが拡大していることによるポジティブな地合いに支えられ、強気リバーサルを維持しています。ユーロ債は、節目の143.38を試す展開となり、一段の上昇に向かっています。
週足チャートを見ると、ユーロ Bund先物が下落基調から強気トレンドへ転換強気にブレイクしていることが見て取れます。上昇ウェッジのリトレースメント0.382となる143.03に向けて一段と切り上げる可能性も十分あります。これは、上値抵抗線となる143.38をわずかに下回る水準となります。RSIが下降トレンドラインの上値を抜けたことも、足元の上昇トレンドをサポートしています。
ユーロ Bund先物が143.38より上で引ければ、リトレースメント0.618の149.40に向けてさらなるアップサイドも期待できるでしょう。
一方、
売りが強まり136を下回って引けた場合は、再び下落基調に転じるでしょう。

 

10年物英国債は、RSIが60を超え、プラス圏にあるにもかかわらず、105.20の0.618リトレースメントの水準を超えられずにいるようです。もしこの水準を上抜けすれば、次は108.92付近に強い抵抗線が生じます。200日移動平均線SMAが下降トレンドとなれば、その水準を挟んでの攻防となるでしょう。当面は、109と99の間でのレンジ相場を展開する可能性があります。

中期トレンド:週足チャートに生じたギャップは、10年物英国債にとって重要なポイントとなります。ギャップが解消されれば、新たな安値を付ける可能性があります。一方、108.92より上で引けた場合、リトレースメント0.786の113.54まで上昇する余地が生じます。

 

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