前週の市場総括と今後の展開 - 2025年3月25日

前週の市場総括と今後の展開 - 2025年3月25日

概況 3 minutes to read
コーエン・ホーレルベケ

オプション戦略責任者

前週の市場総括と今後の展開

2025年3月25日(2025年3月17日〜21日の週の振り返り)


主な概況

  • 株式:株式市場では、ハイテク株が圧力を受けて変動しました。関税に関する不確実性が根強く残っています。
  • ボラティリティ:VIX指数は週半ばに21.70でピークに達し、その後落ち着きましたが、市場には引き続き警戒感が残っています。
  • デジタル資産:ビットコインには、ETFからの新たな資金流入がみられます。リップル(XRP)の価格は、SECが控訴を取り下げて訴訟が終結したことから、急騰しました。
  • 債券:米国債利回りは、FRB議長のハト派的な発言を受けて、変動しました。ドイツ国債の利回りは、ドイツ連邦参議院での大規模な財政改革法案の可決後に低下しました。
  • コモディティ:金は、地政学的な緊張とインフレ懸念から、新高値の記録を樹立しました。
  • 通貨:トランプ大統領の関税発表の前に、米ドルは堅調に推移しました。ユーロ/米ドル(EURUSD)は反転し下落しました。

市況の振り返り(2025年3月17日〜21日)

株式

  • 米国:米国株式はボラティリティに直面し、バリュエーションと景気後退の懸念の中でハイテク株が苦戦しました。注目すべき動きとしては、Tesla317日に-4.8%318日に-5.3%Nvidia318日に-3.4%Boeing319日に+6.8%上昇したことが挙げられます。FedExNikeはともに決算発表後に急落しました(321日時点でそれぞれ-6.45%-5.46%)
  • 欧州:欧州株式は、ドイツの歴史的な500億ユーロのインフラ計画の発表(318日、DAX +1%)を受けて当初上昇しましたが、ECBが米トランプ大統領の推し進める関税に関して警鐘を鳴らしたこと(321日、DAX -1.2%)により、週後半に急落しました。銀行株と工業株はアンダーパフォームし、特にIntesa SanpaoloBNP Paribas321日に-3%下落しました。
  • アジア: アジア市場はAI業界に対する楽観的な見方により週明けに急騰し、特にBaidu317日に+10%上昇しました。その後、ハイテク株の利益確定がハンセン指数を引き下げるなど、まちまちの展開となりました(321日比-2.2%)

ボラティリティ

VIXボラティリティ指数は、FRBの決定を控えた週半ばの318日に21.70と著しく急上昇しました。パウエル議長のハト派的な発言を受けて下落し、321日には19.28で取引を終えましたが、関税に関する発表を前に、短期的な不確実性は依然として高まっています。


デジタル資産

ビットコインは、ETFの流入が6週間ぶりの高値(317日に274.6百万ドル)に達したことに支えられ、約82,000ドルから86,944ドルで変動しました。XRPは、SECがリップル社に対する訴訟を終結した後、319日に+7.3%急騰しました。暗号資産はまちまちのパフォーマンスとなり、コインベースは319日に+4.8%上昇しましたが、その後下落しました。


債券

米国債利回りは、FRBのハト派的な発言を受けて週半ばに軟化し、10年債の利回りは321日におよそ4.25%の水準に落ち着きました。ドイツ国債利回りは、ドイツの大規模な財政刺激策に対する楽観的な見方を背景に、急落しました(317日時点で6bps低下し、2.82%)


商品

金は、インフレ懸念と地政学的な緊張により、319日に3,055ドル/オンスを超えてピークに達し、複数の新高値記録を樹立しました。銅は、関税による供給の混乱の影響を受け、3月19日に5.20ドル/ポンドを超えて急騰しました。原油は、中東の緊張と制裁リスクの影響を受けて変動し、週後半に70ドル/バレル付近で取引されました。


通貨

米ドルは、42日に予定されている関税の明確化を前に週後半に上昇し、321日にはユーロ/米ドル(EUR/USD)が1.0850を下回りました。FOMC後、円は小幅に上昇し、米ドル/円(USD/JPY)は3月20日に148.25円前後で取引されました。


今後の見通し(2025年3月24日〜28日)

今週は、投資家は主要なマクロデータと収益に注目するでしょう。

  • 月曜日: S&P Global速報米国PMI(購買担当者景気指数)、KB HomeとOkloの決算発表。
  • 火曜日: S&Pケース・シラー住宅価格指数、米国消費者信頼感指数、米国新築住宅販売件数。GameStopMcCoermickの決算発表。
  • 水曜日: 米国2月耐久財受注(速報値)、Dollar TreeChewyPaychexの決算発表。
  • 木曜日: 米実質GDP(4四半期の改定値)、米新規失業保険申請件数、米住宅販売保留指数。Lululemonの決算発表。
  • 金曜日: 米国個人消費支出(PCE)指数、米国ミシガン大学消費者信頼感指数、FRBのラファエル・ボスティック氏の発言。

市場は、特にインフレ率、住宅データ、FRBの講演、進行中の関税に関する動向を中心に慎重な見方をしており、投資家は、より広範な経済の逆風を示唆したり、中央銀行の政策に影響を与えたりする可能性のある経済指標の変化を注意深く監視しています。

口座開設は無料。オンラインで簡単にお申し込みいただけます。 

最短3分で入力完了!

コンテンツ免責事項

本ウェブサイトで提供される情報は、金融商品の売買を勧誘、推奨、または承認するものではなく、金融、投資、または取引に関するアドバイスを目的としたものではありません。当社およびサクソバンクグループの各法人は、執行専用のサービスを提供しており、すべての取引および投資はご自身の判断に基づいて行われます。分析、調査、および教育コンテンツは情報提供のみを目的としており、アドバイスや推奨として解釈されるべきではありません。

当社のコンテンツは、著者の個人的な見解を反映している場合があり、予告なく変更されることがあります。特定の金融商品の言及は、例示目的であり、金融リテラシーの向上を目的としています。投資調査として分類されるコンテンツはマーケティング資料であり、独立した調査の法的要件を満たすものではありません。

投資判断を行う際には、ご自身の財務状況、ニーズ、目標を十分に考慮し、必要に応じて独立した専門家のアドバイスを受けるかどうかの判断も含め、自己責任であることをご理解ください。当社は、提供される情報の正確性または完全性を保証するものではなく、この情報の利用により生じた誤り、脱漏、損失または損害について一切の責任を負いません。

サクソバンク証券株式会社
Saxo Bank Securities Ltd.
Izumi Garden Tower 36F
1-6-1 Roppongi Minato-ku
Tokyo 106-6036
〒106-6036 東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデンタワー36F

お問い合わせ

国・地域を選択

日本
日本

【重要事項及びリスク開示】

■外国為替証拠金取引は各通貨の価格を、貴金属証拠金取引は各貴金属の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、売買の状況によってはスワップポイントの支払いが発生したり、通貨の金利や貴金属のリースレート等の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■外国為替オプション取引は外国為替証拠金取引の通貨を、貴金属オプション取引は貴金属証拠金取引の貴金属を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。また、オプションの売り側は権利行使に応える義務があります。
■株価指数CFD取引は株価指数や株価指数を対象としたETFを、個別株CFD取引は個別株や個別株関連のETFを、債券CFD取引は債券や債券を対象としたETFを、その他証券CFD取引はその他の外国上場株式関連ETF等を、商品CFD取引は商品先物取引をそれぞれ原資産とし、それらの価格の変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、建玉や売買の状況によってはオーバーナイト金利、キャリングコスト、借入金利、配当等調整金の支払いが発生したり、通貨の金利の変動によりオーバーナイト金利が受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■上記全ての取引においては、当社が提示する売価格と買価格にスプレッド(価格差)があり、お客様から見た買価格のほうが売価格よりも高くなります。
■先物取引は各原資産の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。
■外国株式・指数オプション取引は、対象とする有価証券の市場価格や対象となる指数、あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動、指数の数値等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする有価証券の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式・指数オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式・指数オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式・指数オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。さらにこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式・指数オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。
■取引にあたっては、契約締結前交付書面(取引説明書)および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
第一種金融取引業、第二種金融商品取引業
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
手数料:各商品の取引手数料についてはサクソバンク証券ウェブサイトの「取引手数料」ページや、契約締結前交付書面(取引説明書)、取引約款等をご確認ください。