前週の市場総括と今後の展開
2025年4月14日(2025年4月7日〜11日の週の振り返り)
主な概況
- 市場は、米中関税の激化により極端なボラティリティを経験しました。
- テクノロジーセクターは大きな影響を受けましたが、一時的に回復しました。
- VIX指数は週半ばに大幅に急上昇しましたが、これは投資家の強い不安を反映しています。
- 金価格は、市場の不確実性を反映して過去最高値を記録しました。
- ビットコインは、相対的なボラティリティが低い中で株式をアウトパフォームしました。
市場総括(2025年4月7日〜11日)
株式
- 米国市場は、関税摩擦により劇的な変動を経験しました。月曜日(4月7日)は大幅な下落となり、ダウ平均は-0.91%、S&P500は-0.23%下落し、弱気の領域に入りました。ナスダックは、Nvidia(+3.5%)やAmazon(+2.5%)などのハイテク企業に後押しされ、わずかに上昇(+0.2%)しました(4月8日)。水曜日の関税一時停止は歴史的な反発を引き起こし、ナスダックは+12.16%(4月10日)急騰しましたが、木曜日(4月10日)は急激に上昇を反転させ、ナスダックは関税懸念が再燃する中(4月11日)-4.31%下落しました。
- 欧州株式は当初(4月7日)、STOXX50は-5.4%(4月8日)でしたが、関税緩和の楽観的な見方により力強く反発し、+4.4%(4月11日)となりました。
- アジア市場は週半ばに力強く反発し、特に日本の日経平均株価は+7%近く急騰しました(4月8日)が、新たな関税の引き上げにより、市場は金曜日までに再び後退しました。
ボラティリティ
VIX指数は週半ばに急上昇し、月曜日(4月7日)に60を超えてピークに達しましたが、水曜日の関税一時停止発表(4月10日)を受けて後退(-35.75%)しました。木曜日の関税引き上げによりボラティリティは再び急上昇し、40.72(+21.12%)(4月11日)で取引を終えました。これは、市場の不確実性が高い状態が続いていることを反映しています。
デジタル資産
ビットコインは市場の混乱の中で上昇し、木曜日(4月10日)までに+1.85%上昇して81,000ドルを超え、株式と比較して低いボラティリティを維持しました。イーサリアムとソラナも、週半ばの安堵(4月11日)を受けて大幅に反発しました。Marathon Digital(+17%)やMicroStrategy(+10.2%)などの暗号資産は力強く上昇しました。
債券
米国債市場では大きなボラティリティが発生し、10年物ベンチマークの利回りは週半ば(4月8日)に4.65%近くまで急上昇しました。一時的な安定化にもかかわらず、利回りは4.50%近くまで上昇して週を終えました(4月14日)。これは、関税関連の圧力の中での財政の安定性に対する投資家の懸念を反映しています。
商品
金は、市場の不安定性と関税の不確実性に牽引され、金曜日(4月11日)までに3,220ドルで過去最高値を更新しました。原油価格は大きく変動し、一時60ドルを下回った後、世界的な景気後退懸念と不安定な貿易環境を反映してわずかに回復しました。
通貨
米ドルは極端なボラティリティを経験し、関税の不確実性が投資家の信頼を損なったため、安全通貨(日本円、ユーロ、スイスフラン)に対して大幅に下落しました。ユーロ/米ドル(EURUSD)は一時1.1400を上回り(4月14日)、米ドル/円(USDJPY)は143.00を下回るなど、為替市場におけるリスク感応度が高まっていることを示しています。
今後の見通し(2025年4月14日〜18日)
- 月曜日:Goldman Sachs(GS)の決算、FRBのウォラー議長のスピーチ。
- 火曜日:Bank of America(BAC)、Johnson & Johnson(JNJ)の決算発表。米国の3月輸出入物価指数。
- 水曜日:米国の3月小売売上高データ、鉱工業生産指数、ASMLの決算発表。
- 木曜日:米国の3月住宅着工件数データ、Netflix(NFLX)、TSMC(TSM)、UnitedHealth Group(UNH)の決算発表。
- 金曜日:サンフランシスコ連銀のメアリー・デイリー総裁の発言。