前週の市場総括と今後の展開 - 2025年4月7日

前週の市場総括と今後の展開 - 2025年4月7日

概況 3 minutes to read
コーエン・ホーレルベケ

オプション戦略責任者

前週の市場総括と今後の展開

2025年4月7日(2025年3月31日~4月4日の週の振り返り)


主な概況

  • 株式は、トランプ大統領の関税発表後、深刻な下落に直面しました。テクノロジーと自動車セクターが最も大きな打撃を受けました。
  • ボラティリティは急上昇し、景気後退懸念が高まる中、VIXは45.31に達しました。
  • ビットコインは、デジタル資産の不安定な週の後、80,000ドルを下回りました。
  • 債券は、投資家が週を通して安全な場所に避難したため、強く反発しました。
  • コモディティは、景気後退懸念と関税の影響により、幅広く下落しました。
  • 日本円(JPY)とスイスフラン(CHF)は大幅に上昇しました。米ドルは当初弱含みでしたが、週末までに一部で安定しました。


市場総括

株式

週明けの市場は慎重な動きで始まり、投資家が関税緩和を期待したため、3月31日にはわずかに上昇しました。しかし、4月2日にトランプ大統領の広範な関税が発表され、世界的な大規模な売りが引き起こされたため、楽観的な見方は急速に薄れました。4月3日、S&P500は-4.84%、Nasdaqは-5.41%、Dowは-3.98%と急落し、Apple(-9.2%)やNvidia(-7.8%)などのハイテク企業の下落が主導しました。4月4日にはさらに売りが強まり、S&P500はさらに-5.97%下落し、景気後退懸念の中で320ポイント以上下落しました。欧州株式は、特に4月3日のDAX(-3.0%)とCAC40(-3.3%)の下落を反映し、特に自動車と銀行のセクターに打撃を受けました。アジア市場も低迷し、日本の日経平均は週末までに-8.7%下落しました。

ボラティリティ

市場のボラティリティは当初、週明けに緩やかに上昇しましたが、トランプ大統領が4月2日に関税を発表した後、急激に上昇しました。VIX指数は急上昇し、4月4日には45.31(+50.93%)でピークに達し、新型コロナウイルスのパンデミック初期以来の高水準となりました。短期的なボラティリティも劇的に上昇し、一日VIXは81.89(+142.06%)に達し、市場の極端な短期的な不安を反映しました。ボラティリティの上昇は週末まで続き、市場の不確実性が続いていることを示唆しています。

デジタル資産

暗号通貨は週明けに小幅な上昇を見せましたが、関税の発表後、不安定な動きとなりました。ビットコインは当初、3月31日に上昇し、約83,272ドルに達しましたが、4月4日までに急転して75,699ドル(-3.43%)に落ち着きました。イーサリアムとXRPも同様に下落し、イーサリウムが1,506ドル(-4.64%)に、またXRPは-11.70%の下落となりました。暗号資産は、投資家の警戒感を反映して、より広範な市場の圧力の中でまちまちの結果となりました。

債券

債券市場は、週明けは比較的堅調に推移していましたが、関税による株式の投げ売りを受けて大幅に上昇しました。米国2年債利回りは大幅に低下し、週明けには22ベーシスポイント低下3.64%となりましたが、FRBの積極的な利下げ期待が高まっていることを示唆しています。景気後退懸念が高まる中、日本の債券利回りも同様に急落し、世界的な安全な場所への逃避が広がっていることを浮き彫りにしました。

商品

コモディティ市場は週明け当初、底堅さを見せていましたが、関税の発表後、急激な下落に直面しました。銅は大きなボラティリティを経験し、景気後退懸念が高まる中、一時的に7%下落しました。WTI原油も60ドル/バレルを大きく下回った後、緩やかに安定しました。金は安全資産としての需要に支えられ、3,100ドル付近で堅調に推移しました。銀は急落に直面し、景気後退懸念による年初来の上昇分を帳消しにしました。

通貨

為替市場は、特に関税発表後、週を通じて変動が著しく激しくなりました。安全資産であるスイスフラン(CHF)と日本円(JPY)は大幅に上昇しました。米ドル/円(USDJPY)は、4月4日に一時的に145.00を下回りました。豪ドル(AUD)やカナダドル(CAD)などの景気循環促進型の通貨は、当初は大幅に下落しましたが、市場が不確実性の継続に適応したため、週末にかけて部分的に回復しました。


今後の見通し(2025年4月7日〜11日)

市場は、いくつかの主要な経済指標や政策イベントが目白押しとなる重要な週を迎えます。

  • 米国と中国による関税措置はそれぞれ4月9日と10日に発効する予定で、世界的な貿易摩擦の激化への懸念が高まっています。
  • 4月10日に発表される米国の3月消費者物価指数(CPI)は、関税による市場のボラティリティの中でインフレ圧力の指標として注目されています。
  • 4月9日に公表される3月のFOMC会合の議事録からは、経済、インフレリスク、利下げの可能性に対する政策当局者の見解について洞察を得ることができるでしょう。 
  • 決算シーズンは、4月11日にJPMorgan Chase、Wells Fargo、BlackRockなどの大手金融機関からの重要な決算発表で幕を開け、投資家心理と市場の方向性が決定づけられるでしょう。
  • 4月11日に発表予定の米ミシガン大学消費者信頼感指数と4月7日に発表される消費者信用残高報告書は、経済の不確実性が高まる中、消費者のレジリエンスに光を当てるでしょう。
  • その他の主要経済指標には、米3月生産者物価指数(PPI)(4月11日発表予定)、米週間失業保険申請件数(03/30-04/05の週)(4月10日発表予定)、FRB高官の講演から得られる洞察があり、市場の期待をさらに形成すると考えられます。 

口座開設は無料。オンラインで簡単にお申し込みいただけます。 

最短3分で入力完了!

コンテンツ免責事項

本ウェブサイトで提供される情報は、金融商品の売買を勧誘、推奨、または承認するものではなく、金融、投資、または取引に関するアドバイスを目的としたものではありません。当社およびサクソバンクグループの各法人は、執行専用のサービスを提供しており、すべての取引および投資はご自身の判断に基づいて行われます。分析、調査、および教育コンテンツは情報提供のみを目的としており、アドバイスや推奨として解釈されるべきではありません。

当社のコンテンツは、著者の個人的な見解を反映している場合があり、予告なく変更されることがあります。特定の金融商品の言及は、例示目的であり、金融リテラシーの向上を目的としています。投資調査として分類されるコンテンツはマーケティング資料であり、独立した調査の法的要件を満たすものではありません。

投資判断を行う際には、ご自身の財務状況、ニーズ、目標を十分に考慮し、必要に応じて独立した専門家のアドバイスを受けるかどうかの判断も含め、自己責任であることをご理解ください。当社は、提供される情報の正確性または完全性を保証するものではなく、この情報の利用により生じた誤り、脱漏、損失または損害について一切の責任を負いません。

サクソバンク証券株式会社
Saxo Bank Securities Ltd.
Izumi Garden Tower 36F
1-6-1 Roppongi Minato-ku
Tokyo 106-6036
〒106-6036 東京都港区六本木1-6-1
泉ガーデンタワー36F

お問い合わせ

国・地域を選択

日本
日本

【重要事項及びリスク開示】

■外国為替証拠金取引は各通貨の価格を、貴金属証拠金取引は各貴金属の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、売買の状況によってはスワップポイントの支払いが発生したり、通貨の金利や貴金属のリースレート等の変動によりスワップポイントが受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■外国為替オプション取引は外国為替証拠金取引の通貨を、貴金属オプション取引は貴金属証拠金取引の貴金属を原資産とし、原資産の値動きやその変動率に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、オプションの価値は時間の経過により減少します。また、オプションの売り側は権利行使に応える義務があります。
■株価指数CFD取引は株価指数や株価指数を対象としたETFを、個別株CFD取引は個別株や個別株関連のETFを、債券CFD取引は債券や債券を対象としたETFを、その他証券CFD取引はその他の外国上場株式関連ETF等を、商品CFD取引は商品先物取引をそれぞれ原資産とし、それらの価格の変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、建玉や売買の状況によってはオーバーナイト金利、キャリングコスト、借入金利、配当等調整金の支払いが発生したり、通貨の金利の変動によりオーバーナイト金利が受取りから支払いに転じたりすることがあります。
■上記全ての取引においては、当社が提示する売価格と買価格にスプレッド(価格差)があり、お客様から見た買価格のほうが売価格よりも高くなります。
■先物取引は各原資産の価格を指標とし、それらの変動に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。
■外国株式・指数オプション取引は、対象とする有価証券の市場価格や対象となる指数、あるいは当該外国上場株式の裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動、指数の数値等に対する予測を誤った場合等に損失が発生します。また、対象とする有価証券の発行者の信用状況の変化等により、損失が発生することがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。さらに、外国株式・指数オプションは、市場価格が現実の市場価格等に応じて変動するため、その変動率は現実の市場価格等に比べて大きくなる傾向があり、意図したとおりに取引ができず、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。また取引対象となる外国上場株式が上場廃止となる場合には、当該外国株式オプションも上場廃止され、また、外国株式オプションの取引状況を勘案して当該外国株式オプションが上場廃止とされる場合があり、その際、取引最終日及び権利行使日が繰り上げられることや権利行使の機会が失われることがあります。対象外国上場株式が売買停止となった場合や対象外国上場株式の発行者が、人的分割を行う場合等には、当該外国株式オプションも取引停止となることがあります。また買方特有のリスクとして、外国株式・指数オプションは期限商品であり、買方がアウトオブザマネーの状態で、取引最終日までに転売を行わず、また権利行使日に権利行使を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。また売方特有のリスクとして、売方は証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。売方は、外国株式・指数オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れ又は預託しなければなりません。その後、相場の変動や代用外国上場株式の値下がりにより不足額が発生した場合には、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要となります。また売方は、権利行使の割当てを受けたときには、必ずこれに応じなければなりません。すなわち、売方は、権利行使の割当てを受けた際には、コールオプションの場合には売付外国上場株式が、プットオプションの場合は買付代金が必要となりますから、特に注意が必要です。さらに売方は、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、損失を被った状態で建玉の一部又は全部を決済される場合もあります。さらにこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。外国株式・指数オプション取引(売建て)を行うにあたっては、所定の証拠金を担保として差し入れ又は預託していただきます。証拠金率は各銘柄のリスクによって異なりますので、発注前の取引画面でご確認ください。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、取引証拠金を事前に当社に預託する必要があります。取引証拠金の最低必要額は取引可能な額に比べて小さいため、損失が取引証拠金の額を上回る可能性があります。この最低必要額は、取引金額に対する一定の比率で設定されおり、口座の区分(個人または法人)や個別の銘柄によって異なりますが、平常時は銘柄の流動性や価格変動性あるいは法令等若しくは当社が加入する自主規制団体の規則等に基づいて当社が決定し、必要に応じて変更します。ただし法人が行う外国為替証拠金取引については、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用いて通貨ペアごとに算出(1週間に1度)した比率を下回らないように当社が設定します。
■上記全ての取引(ただしオプション取引の買いを除く)は、損失が無制限に拡大することを防止するために自動ロスカット(自動ストップロス)が適用されますが、これによって確定した損失についてもお客様の負担となります。また自動ロスカットは決済価格を保証するものではなく、損失がお預かりしている取引証拠金の額を超える可能性があります。
■外国証券売買取引は、買付け時に比べて売付け時に、価格が下がっている場合や円高になっている場合に損失が発生します。
■取引にあたっては、契約締結前交付書面(取引説明書)および取引約款を熟読し十分に仕組みやリスクをご理解いただき、発注前に取引画面で手数料等を確認のうえ、ご自身の判断にてお取引をお願いいたします。

サクソバンク証券株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第239号、商品先物取引業者
第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
手数料:各商品の取引手数料についてはサクソバンク証券ウェブサイトの「取引手数料」ページや、契約締結前交付書面(取引説明書)、取引約款等をご確認ください。