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チーフ・インベストメント・ストラテジスト
サマリー: 1991年にバブルが崩壊し、長い不況の時代が始まるまで、日本は長年にわたり経済大国の地位を維持していました。以後、企業収益と賃金は停滞し、高齢化社会が労働力不足を招き消費の足を引っ張りました。しかし、デフレが終焉して賃金と民間設備投資が上昇し、生産性が向上して景気が底打ちします。
日本では長いデフレの時代が終わり、賃金の上昇が戻ってきました。2023年の春闘では賃金が3.6%上昇し、2024年には4%以上上昇する可能性があります。消費税率の引き下げ案という財政的な後押しにより、日本の消費者は貯蓄志向から脱却することでしょう。現首相の任期は2024年9月に満了となるため、岸田首相とその政権は、内需をさらに後押しするポピュリスト的な政策を数多く打ち出します。
需要拡大が継続すると、企業は設備投資の増加を発表します。日本企業の潤沢な手元資金は設備投資意欲の旺盛さを示しています。これは9月の日銀短観にも反映されており、設備投資は2022年度の7.4%増から2023年度は13.3%増になると予想されています。高齢化により労働力供給が減少する一方、医療・社会福祉分野では需要増が続き内需も拡大していることから、労働市場のダイナミクスも変化しています。このような状況が賃金圧力にフィードバックされ、好循環を生み出しているのです。
日本は労働力不足の一方、生産性向上を促す技術普及の枠組みを採用することで、経済変革のアジェンダを推し進めています。世界のサプライチェーンは依然として流動的ですが、フレンドショアリングの傾向が強まっているため日本にとっては追い風となり、投資は増加します。政府の後押しを受け、多くのテクノロジー企業が2024年に日本に投資することを発表しています。技術コストの削減により、日本政府は債務に対処し、財政緩和を継続することが可能になります。その結果、成長、インフレ、賃金を持続的に押し上げることができるようになります。
イールドカーブ・コントロール政策が実施されているため、名目金利に上限が設けられている中でインフレ期待が高まると実質金利は低下し、日本経済は過剰な刺激を受けます。よって、日銀は2024年にイールドカーブ・コントロール政策の終了を迫られることになります。このため、日本の投資家が自国に資金を戻し、世界の債券相場が暴落します。
市場へのインパクト: 日本人投資家が国内資産に資金を戻したため円高が進み、1米ドル130円割れ、1ユーロ140円割れ、1豪ドル88円割れとなります。