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チーフ・マクロ・ストラテジスト
サマリー: ヨーロッパ経済が苦戦する中、英国では新たな財政政策の風が吹き、ユーロをブレグジット前の水準に押し戻しています。
英国の見通しは、EU離脱後の時代においても相変わらず堅調です。つまり、これは欧州の病人、つまり欧州、少なくともユーロ圏の中核国であるフランスとドイツに比べると最も肯定的なものです。英国では財政政策の新たな風が吹いています。労働党新政権は2025年に向けて、成長に最も悪影響を及ぼす所得税増税を回避する一方で、財政赤字縮小のために最も生産性の低い公共部門の支出を削減するという優先的な財政政策を発表しました。英国は、年金受給者向けの冬期燃料補助金など非生産的な補助金を削減し、不動産や製造業への投資を促し、公共部門の労働者の所得を引き上げることで、今後数年間、堅調な名目成長に向けて準備を整え、英中央銀行であるイングランド銀行の政策金利を世界の主要国と比べて高い水準に維持します。
ヨーロッパ大陸では、状況はまったく異なります。フランス政府は機能不全に陥っており、制御不能な予算を立て直すための五年間の取り組みから抜け出せないままです。同政府はすでに、成長を阻害する個人・法人所得税や緊縮財政を発表しています。目を覆いましょう!一方、ドイツは依然として欧州で最も病弱な国であり、容易に賄える住宅やインフラへの国内投資を切実に必要としているにもかかわらず、借金で賄うことを渋っています。ロシアからの安価なエネルギーを投入して巨大な産業基盤と工業製品の輸出を推進するというかつての経済モデルは崩壊しています。また、ドイツの非高級車メーカーは、エネルギー投入コストの高さと、中国がEVバッテリー技術で先行し、重要な自動車部門で世界の輸出シェアを独占していることで、競争力を失っています。ドイツは新たな道を見つけなければなりませんが、それはおそらく2026年に向けての途方もない予測です。
2025年には、英ポンドの対ユーロ相場は、英国のEU離脱を問う国民投票前の水準である1.27英ポンドまで上昇し、英国のEU離脱投票後の下落を完全に解消します。
予想される市場への影響: 国内投資の促進やより堅調な成長見通しが低迷するユーロに対する英ポンドを下支えし、ユーロ/英ポンドのレートは英国がEU離脱を決めた国民投票前日の0.76を下回る0.7500まで下落します。英国FTSE100は好調なパフォーマンスを記録します。