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コモディティ戦略責任者(Saxo Group)
サマリー: 米商品先物取引委員会(CFTC)と欧州インターコンチネンタル取引所(ICE)が発行した最新のCOTレポートの調査結果です。先物ポジションと、商品・為替・金融先物市場のヘッジファンドの動きに焦点を当て、3月22日までの一週間をカバーしています。この一週間は、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催後、世界株式に対するリスク選好が急激に強まる一方、債券利回りはインフレ懸念の高まりを受けて上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)の対応はより積極的になりました。ドルは強含みが続き、円の急落は他通貨の上昇で相殺されました。コモディティセクターは強弱混在でした。エネルギーセクターとソフトコモディティは総じて大幅に伸びましたが、金属が弱含み、主要作物全体に軟化の兆しが現れて、上昇を一部相殺した格好です。
本サマリーでは、2022年3月22日(火曜日)までの1週間について、先物ポジションと、商品・為替・金融先物市場のヘッジファンドの動きに焦点を当てています。この1週間は、FOMC後、MSCIワールドとS&P 500に対するリスクアペタイトが強まり、いずれも6%以上急上昇しました。その一方で、VIX(恐怖指数)は下落しています。インフレ懸念の高まりから債券利回りは上昇し、FRBの対応はより積極的になりました。ドルは強含みが続き、円の急落は他通貨の上昇で相殺されました。コモディティセクターは強弱混在でした。エネルギーセクターとソフトコモディティは総じて大幅に伸びましたが、金属が弱含み、主要作物全体に軟化の兆しが現れて、上昇を一部相殺した格好です。
コモディティ
この一週間は、ブルームバーグ・コモディティスポット指数が上昇しました。前週はボラティリティの上昇とマージンコールに注目が集まったため、全セクターでポジションの全面的な縮小を余儀なくされましたが、その損失の一部を取り戻した形です。
エネルギー
エネルギーセクターは、原油が15%、軽油(ディーゼル) が30%と押しなべて上昇し、3週間ぶりにセクター横断的にネットのロングとなっています。ヘッジファンドは、ボラティリティとマージンコールの高まりの中、過去二週間にWTIとブレント原油のネットロングを12万3000ロット減らした後、1万3000ロット引き上げました。超低硫黄ディーゼル燃料(ULSD、ディーゼル)が28%上昇したのをきっかけに、新規空売りで23%のポジション減少となりました。
本日のマーケット・コメント:
原油(OILUKMAY 22&OILUSMAY 22)はまず値を下げています。金曜日にサウジアラビアに対する攻撃がありましたが、その影響は、世界最大の原油輸入国である中国の足元の需要動向が懸念されて相殺されつつあります。中国はウイルスの感染拡大が続くなか、大量検査を実施するために上海の半分を都市封鎖すると発表したことが背景にあります。ロシアとウクライナの和平交渉は今週再開されますが、プーチン政権は多くの主要な買い手から好ましくない相手と見なされているため、解決の可能性が残るものの、自発的取引制限が続きそうです。木曜日、OPECプラスは5月の目標を設定するためにオンライン会合を開催しますが、ロシアの原油生産減少という難問を議論することの難しさと回避したい動きがある中、湾岸協力理事会(GCC)加盟国による追加生産はあまり期待できそうもありません。ブレントはバレル当たり123ドルに上値抵抗線がありますが、同112ドルの下値支持線を下回ると、テクニカルには上昇のモメンタムはさらに弱まることになります。
穀物
穀物セクターも、大豆とトウモロコシが伸びる一方小麦はネットで若干下げるなど、動きはまちまちです。しかし、6大先物市場全体で見るとネットロングは過去10年で最大となり、史上3番目の水準です。
ソフトコモディティ
セクター全体で5.5%の上昇を記録したものの、綿花と砂糖の買い越しにとどまりました。コーヒーは過去4カ月の底値からの回復となりましたが、価格上昇につれロング・ポジションが手仕舞ったため安心感はありません。
外国為替
長く待たれていた米国の利上げ第一弾が3月16日に実現したことを受け、出尽くし感から米ドルは下げました。一方、投機筋は10種のIMM通貨先物と米ドル指数先物を使ってドルロングを45%(想定元本154億ドル)増やしました。新規EURの購入を除けば、フローは総じて米ドルに向かい、売りが特に目立ったのはカナダドル(2万2600ロット—18億ドル相当—の減少)と円(1万6000ロット—17億ドル相当—の減少)で、円は6年ぶりの安値となりました。