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コモディティ戦略責任者(Saxo Group)
主なポイント
パフォーマンスを見ると、金、銅、天然ガスが総リターンの75%近くを占めていることがわかります。
コモディティセクターは今年、最もパフォーマンスの高い資産クラスの1つとして浮上しています。第1四半期が終わり、トランプ政権による4月2日の関税発表が迫る中、ここでこれまでの勝者と敗者を見てみましょう。サクソバンクグループは、エネルギー、金属、農業にほぼ均等に分散する24の主要先物市場の総リターンを追跡する、当社が推奨する指数であるブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodities Index)に注目しています。
この指数は、いくつかの主要なETFによって追跡されており、過去12ヶ月間で12.2%上昇し、その上昇の大部分は過去3ヶ月間に達成されました。年初来のリターンは7.9%の上昇を示しており、一部の主要な株式市場の指数で見られるリターンを大きく上回っています。
金属:傑出したセクター
セクターレベルでは、貴金属と工業用金属が際立っており、今四半期のリターンはそれぞれ15.2%と12.5%となっています。12か月のパフォーマンスは37.6%と18.1%と一層見事なリターンとなっています。これは、地政学的および経済的な不確実性から有形資産の保護を求める投資家の需要が続く中、金(+14.7%)と銀(+16.7%)に対する資産の逃避先としての需要が続いていることや、また中央銀行が不換通貨(法定通貨)、特に米ドルへの依存を減らすために金を購入したことによるものです。
工業用金属セクターでは、ニューヨークで取引されているNY銅先物(HG)と、ロンドン金属取引所(LME)の先物契約において取引および追跡されている銅との間に明確な違いが表れています。NY銅先物(HG)は、トランプ米大統領が数週間以内に輸入品に関税を課す可能性があるとの憶測から、過去最高値まで急騰しました。ロンドン金属取引所(LME)で取引される銅先物に対するNY銅先物(HG)のプレミアムは17%に達しており、世界的な成長懸念の中で全体的には苦戦するだろうとみられるBCOMTR(ブルームバーグ商品指数・トータルリターン)に対する工業用金属の大きな貢献がみてとれます。
エネルギー:天然ガスが主導権を握る
エネルギーセクターについては主に天然ガスの強さに関する話であり、今年に入ってからの総リターンは約25.5%ですが、原油と燃料製品は、需要に影響を与える経済成長懸念と、イランとベネズエラからの供給を減少させる可能性のある制裁の脅威の高まりとの間の綱引きの中で苦戦しています。これにより、来月から予定されているOPEC+の増産幅が引き下げられました。
農業:まちまちな結果で、全体としては小幅な上昇
最後に、農業セクターは全体としては2.2%の小幅な上昇となりましたが、十分な供給のあった穀物と大豆の複合的な構成区分における広範な損失が、ソフトの農産物と家畜の上昇を部分的に相殺する形となりました。傑出したパフォーマンスは、アラビカ種のコーヒーと砂糖、そして幾分かは、家畜の牛によるものです。
重要なポイント:広範な分散投資の力
パフォーマンスと個々のセクターの比重を見ると、金、銅、天然ガスがトータルリターンの75%近くをもたらしていることがわかりますが、これら3つの先物契約のブルームバーグ商品指数における比重の合計は27.5%にすぎません。これは、個々の勝者を選ぼうとするのではなく、コモディティへの幅広いエクスポージャーを保持することの利点を浮き彫りにしています。
長期的な利益を促進するメガトレンド
サクソバンクグループでは、主要コモディティの長期トレンドがいくつかの主要なテーマやメガトレンドに牽引されて上昇傾向が続いているとみています。以下のようなこれらのトレンドをみると、長期的な利益を得るためには広範なアプローチが最善の選択肢であると当社が考える理由について納得がいくのではないでしょうか。
今世紀に入ってからこれまでに、2002年から2008年にかけての中国主導の上昇、2020年から2022年にかけてのパンデミックとウクライナ戦争による急騰という3つの主要なコモディティの強気サイクルを目の当たりにしてきました。同指数は、過去3年間、ほぼ横ばいで取引されてきましたが、過去数か月では再び上昇を試みています。