COT:穀物の高騰で足元をすくわれた投機家たち COT:穀物の高騰で足元をすくわれた投機家たち COT:穀物の高騰で足元をすくわれた投機家たち

COT:穀物の高騰で足元をすくわれた投機家たち

商品
オーレ・ハンセン

コモディティ戦略責任者(Saxo Group)

サマリー:  今回の週刊トレーダーズ・コミットメントは、6月13日(火)までの1週間にコモディティと外国為替についてヘッジファンドやその他の投機家が組んだ先物ポジションと変化に注目しています。この週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて米国債利回りが上昇した一方、外為市場では、ドルが続落し、3ヵ月に及んだドル反発の流れが途絶えました。コモディティは、穀物や工業用金属のショートカバーを主要因に、20%上昇と大きく値を上げました。


サクソバンクは、コモディティのレバレッジド・ファンドの建玉明細(COT)報告を毎週発行していますが、外国為替に関しては非商業目的(投機筋)のデータを使用しています。

建玉明細(COT)報告とは?

建玉明細(COT)報告は、米国の米商品先物取引委員会(CFTC)により発行され、ブレント原油・軽油についてはインターコンチネンタル・ヨーロッパ取引所(ICE Exchange Europe)により発行されます。この報告書は、毎週金曜日の米国取引時間終了後に、その前の火曜日までの1週間のデータとともに公表されます。先物市場の建玉残高の内訳が、資産クラスに応じた様々なユーザーグループごとに示されます。 

コモディティ:生産者/マーチャント/加工者/利用者、スワップディーラー、マネージドマネー、その他
金融商品:ディーラー/仲介業者、資産運用会社/機関投資家、レバレッジドファンド、その他
外国為替:商業目的、非商業目的(投機筋)の大まかな内訳 

特定のグループの投資行動に注目する理由は以下の通りです: 

  • タイトストップが設定されている可能性が高く、ヘッジの対象となっている原資産のエクスポージャーがない。 
  • このため、ファンダメンタルズやテクニカルな価格動向の変化に最も反応しやすい。
  • 主要なトレンドに関する見解を得られるほか、反転のタイミングを読み解くのにも役立つ。

Global Market Quick Take Europe
Saxo Market Call Daily Podcast

Commodity Weekly: Best month in over a year


このサマリーは、先週6月13日(火)までの1週間にヘッジファンドが商品と為替で行った先物のポジションと変化に焦点を当てたものです。この週は、世界の株式市場が引き続き好調に推移し、先週のFOMCを控えて米国債利回りが上昇しました。外為市場では、ドルが続落し、3ヵ月に及んだドル反発の流れが途絶えました。コモディティ市場は、穀物や工業用金属を主導役に、20%上昇と大きく値を上げました。   

コモディティ


ヘッジファンドやトレンドフォロー型CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)などのレバレッジド・トレーダーを含むマネー・マネージャーは依然として商品市場において重要な役割を担っています。CFTCは毎週、COT報告を通じて、こうしたトレーダーの取引の状況を伝えています。このグループは、自らの行動で価格変動を引き起こすのではなく、ファンダメンタルズによって引き起こされる価格変動を予測し、それを加速・増幅させる傾向があります。このグループのトレーダーはモメンタムに追随する戦略を採り、しばしば上昇局面で買い、下落局面で売ります。つまり、サイクルのピーク付近では最大のロングポジションを、底値の直前では最大のショートポジションを取ることになります。 

6月13日までの1週間で、ブルームバーグ商品指数は0.7%上昇しました。5月は低迷を続けたものの、6月は、ドルの軟化、中国政府が景気刺激策を強化するとの思惑、農産物セクター全体にわたる高温・乾燥気候への懸念、原油市場の買い支えに動くサウジアラビアの最近の行動などにより、好調に推移しました。穀物(+2.4%)と工業用金属セクター(2.1%)を中心に上昇し、貴金属(-0.8%)とエネルギー(-0.9%)は軟調に推移しました。

投機筋はこうした最新の動きに反応し、24種の主要コモディティ先物のネットロングの水準は15万3000枚(20%)増加し、92万8000枚に達しました。主に穀物市場と銅のショートカバー、およびソフトコモディティの新規ロング・ポジションによるものです。エネルギーはまちまちの展開となり、原油の売りが軽油や天然ガスの需要で相殺されました。貴金属は金を筆頭に、FOMCを控えて、売り越しとなりました。 

穀物(105,000増の950,000)、ソフトコモディティ(27,000増の308,000)を中心に農産物が大きく買われました。エネルギーはまちまちの展開となり、原油の売りが製品および天然ガスの需要で相殺されました。金利上昇の懸念から金とプラチナが売られ、中国の景気刺激策を背景に銅と銀が買われました。
原油、燃料製品、天然ガス:原油が3%下落したため、WTIとブレント石油合計のネットロング・ポジションは2万3000枚減少し、278.5万枚となりました。過去7週間の平均保有枚数とほぼ同じで、現在のレンジ相場と方向感のなさを浮き彫りにしています。
金、銀、プラチナ、銅先物(HG): 先週水曜日のFOMCを控えて、投機筋は金の保有量を18%減の93.3万枚とし、3カ月ぶりの低水準となりました。中国の景気刺激策に注目が集まり、銅のポジションは2カ月ぶりにネットロング(1万8000枚増の7000枚)に転じました。銀は27%増の14.6万枚、プラチナは26%減の13.9万枚となりました。
トウモロコシ、大豆、小麦: 大手投機筋は過去数ヶ月間このセクターについてショート・ポジションを取ることが多く、その結果、最近の価格上昇にうまく対応することができせんでした。大豆油(27,000増の9,000)とトウモロコシ(47,000増の2,000)のポジションについては、先週火曜日までに、どうにか小幅なロングに戻すことができました。小麦(6,000増の‐113,000)のショート・ポジションは引き続き高水準であった一方、大豆のロング・ポジションは34,000増の48,000に急増しました。
ソフトコモディティおよび家畜
IMM通貨先物とドルインデックス: ドル安が続いているにもかかわらず、IMM通貨先物9 種とドルインデックスに対するドルショートは、主にユーロ、スイスフラン、英ポンド、豪ドルの売りにより、30%減の54億ドルと3カ月ぶりの低水準となりました。

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