今週の商品相場は、世界のマクロ経済動向が引き続き注目されて弱含みで推移しました。一部の個別商品で見られた在庫の減少など、支援材料となったはずのミクロ動向の影響は、マクロ経済動向への注目により相殺されました。ドル相場は再び強含み、米国債利回りは上昇し、米国株は1か月にわたる弱気相場の一時的上昇が息切れして反落しました。
その引き金となったのは、米連邦準備制度理事会(FRB)高官らが、物価上昇率が従来の長期目標である2%前後となるまで利上げを継続する決意を改めて表明したことでした。このコメントにより、最近の一連の弱い経済統計を根拠にFRBが将来の利上げペースを鈍化させるであろうとの期待が一掃されました。
ガソリンやディーゼル、石炭、特にガスなどのエネルギー価格の高止まりをはじめ、インフレとの戦いは依然として勝利には程遠く、世界経済がさらに減速するリスクが高まっています。マクロとミクロの攻防が続いていることは明らかであり、その結果、短期・中期では先行き不透明な状況が長く続くと思われます。
しかし、全体として、こうした動きは商品相場とその長期的な上昇力に関する当社の見方を変えるものではありません。今週初めに開催した四半期ごとの
ウェビナーでは、いわゆるオールドエコノミー、つまり有形資産が、過少投資、都市化、グリーントランスフォーメーション、対ロシア制裁、脱グローバリゼーションを背景に、今後数年にわたり好調に推移すると当社が見ている理由をいくつか紹介しました。