マーケットインサイト:消費者信頼感指数(CCI)の改善とインフレ鈍化期待から米株式市場は上昇

マーケットインサイト:消費者信頼感指数(CCI)の改善とインフレ鈍化期待から米株式市場は上昇

株式
Saxo Be Invested
APAC Research

サマリー:  米消費者信頼感指数(CCI)が8カ月ぶりの高水準に達し、1年先の予想インフレ率が2021年9月以来の低水準を記録したことから、S&P500とナスダック100指数はいずれも前日比1.5%高と大きく上昇しました。米エネルギー省(EIA)が公表した原油在庫が予想を大幅に上回る取り崩しだったことを受け、原油価格が前日比3%近く上昇し、エネルギー関連銘柄が上昇相場を牽引しました。米ドル/円は前日の急落から落ち着きを取り戻し、132.40円近辺で取引されました。


主な市場の動きは?

消費者信頼感指数(CCI)の改善を受けてS&P500 (US500.I)とナスダック100指数(NAS100.I)は前日比1.5%上昇

米民間調査機関のコンファレンスボードが21日公表した米消費者信頼感指数(CCI)が8カ月ぶりの高水準に改善し、12月の1年先のインフレ率予想が前月の7.1%から6.7%に低下したことを受けて、米国の株式市場は大きく上昇しました。S&P500とナスダック100指数はいずれも前日比1.5%高となり、なかでも予想を上回る好決算と需要見通しの上方修正で同12.2%高となったNIKE(NKE:xnys)は、S&P500の組入銘柄の中で、最も力強いパフォーマンスを見せ、同指数ではエネルギー、資本財、金融セクターを中心に全11業種で値上りしました。また、原油価格の上昇もエネルギー関連銘柄の株価を押し上げ、APA (APA:xnys)は5.8%高となりました。FedEx(FDX:xnys)は決算が予想以上に小幅な減益にとどまったことやコスト削減計画を受けて3.4%高となり、また、クルーズ会社のCarnival(CCL:xnys)も決算で純損失が市場予想を下回ったことで4.7%上昇しました。一方、時間外取引では半導体大手のマイクロン(MU:xnas)が公表した第1四半期(9-11月)の決算と2四半期(12-2月)の売上高見通しの内容が振るわず、同社の株価は2.1%下落しました。

米国債 (TLT:xnas / IEF:xnas / SHY:xnas)は2年債がアウトパフォームし、足場を固める展開に

米2年債の利回りは4.21%(-4bps)、10年債は3.66%(+2bps)で取引を終えました。20年物の入札は一定の需要に支えられ、順調に消化されました。

香港ハンセン指数 (HIZ2)はジリ高へ;CSI300指数(CSI 300 Index)は横這いで終了

香港株式市場は力強く取引を開始したものの、商いの薄さから失速し前日比0.3%でクローズしました。Nikeを取引先とする繊維メーカーのShenzhou (02313:xhkg)は、Nikeのガイダンスの上方修正を受けて6.7%高となり、香港ハンセン指数のうち最も株価が上昇した銘柄となりました。その他にもケータリングのHaidilao (06862:xhkg)は4%高、白物家電のHaier Smart Home (06690:xhkg)は2.9%高と、それぞれ上昇しました。中国企業のA株では、CSI300指数が前日比ほぼ横這いで取引を終えました。消費、宿泊、観光、食品・飲料、コロナ治療薬関連の銘柄が上昇しました。

為替:ドル/円は132.40円で落ち着きを取り戻し、徐々にドル買いが戻る

今週火曜日の日銀政策決定後に3.7%下落した後、ドル/円は落ち着きを見せて今のところ143.40台で推移しています。EUR/ドルは、1.0600まで小幅に下落しました。AUD/ドル強含み、0.6710 まで上昇しました。

 

予想を大幅に上回るEIA原油在庫取り崩しで原油はCrude oil (CLF3 & LCOG3) 2.9%高の78.5ドルまで戻す

米エネルギー省(EIA)が公表した原油在庫が予想を大幅に上回る取り崩しとなったことを受けて、WTI原油は2.9%上昇し78.50ドルで取引を終えました。バイデン政権が来年2月に戦略石油備蓄(SPR)の補充計画を開始すると発表したことも、市場のセンチメントを下支えしました。

今後のポイントは?

米国の経済指標は入り混じった内容に:住宅販売は減少するも、消費者信頼感指数とインフレ予想は改善

米コンファレンスボードが公表した米消費者信頼感指数(CCI)が8カ月ぶりの高水準に改善し、12月の1年先の予想インフレ率が11月の7.1%から6.7%に鈍化し、2021年9月以来の低水準となりました。また、コンファレンスボードが発表した調査結果によると、総合消費者信頼感指数、および現在と将来の見通しの各項目で消費者センチメントに改善が見られました。総合消費者信頼感指数は108.2(対コンセンサス予想101.0、11月:101.4)に改善し、今年4月以来の高水準となりました。一方、11月の米中古住宅販売は前月比7.7%減と、10ヶ月連続のマイナスとなりました。

中国と豪州は2国間関係の改善に向けて歩み寄り

中国と豪州の国交樹立50周年を記念する祝電で、中国の習近平国家主席はオーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相に対して「中豪の包括的な戦略パートナー関係の持続的発展を目指したい」と伝えました。一方、豪州のペニー・ウォン外相は記者団に対し、中国による豪産品への貿易制裁の緩和などの問題について、両国がハイレベルの対話を継続することに合意したと述べました。

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