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Chief Investment Strategist
サマリー: 5月も終わりを迎え、米国株式市場では特定のセクターや超大型株への資金集中とバリュエーションの拡大によって、再びリスクが高まっています。今年に入ってからは、主にテクノロジー株が市場の上げを主導しており、最近ではAI関連銘柄を中心にその傾向が特に強まっています。しかし、市場全体の上昇幅が限定的であることや、米国株のバリュエーションが2022年7月以来の高水準に達していることを踏まえると、投資家にとってリスクが高まる一方、期待リターンは低下しつつあります。
※本レポートは自動翻訳を一部修正したものです。原文と和訳に齟齬がある場合は原文が優先されます。
主なポイント:
S&P500の年初来のトータルリターンは昨日(30日)の取引終了時点で10.3%に達していますが、過去のレポートで繰り返し指摘してきたように、今回の上昇相場は極めて偏った資金の流れに下支えされています。今年最も優れたパフォーマンスを上げた銘柄を見てみましょう。S&P500構成銘柄で時価総額首位(2兆7,900億ドル)のAppleはパフォーマンス最下位となっていますが、そこから上の順位にランクする銘柄(下図)を見ると、いずれも年初来のトータルリターンが37%を上回っていることが分かります。これは、テクノロジー企業に限らず、Nvidia、Meta、Tesla、Amazon、Alphabet、Microsoft、Appleなど、指数に占めるウェイトが最も大きい銘柄が、極めて力強いパフォーマンスを上げていることを示しています。このように特定のセクターや銘柄群に資金が偏ることによって生じるリスクの高まりや、狭い範囲でのラリーは、市場が限られたテーマに大きく賭けていることを反映しており、決して好ましい兆候ではありません。ただし、そのテーマが再び売られれば、トレンドは直ちに好転する可能性もあります。例えば、米国経済が夏場にかけて予想を上回るペースで鈍化するようなことがあれば、状況に変化をもたらすカタリストとなり得るでしょう。
年初からのAI関連銘柄を中心とするテクノロジー株の上昇は、景気後退懸念が強まる中で市場がFRBの利下げを織り込んだことが一因となっています。その結果、米国株のバリュエーションは2022年7月以来の高水準に達しています。また、昨日のレポートでも指摘したようにAIや電気自動車、データセンター向け半導体に対する高い成長期待から、世界の半導体セクターの株価バリュエーションは2010年初頭以来の水準まで切り上がっています。こうした状況は、過去のバブルを想起させます。