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Chief Investment Strategist
サマリー: 世界の株式市場の中でも日本とギリシャの株式市場は年初から目立った回復を遂げており、現地通貨建てで日本株は16.5%、ギリシャ株は31%それぞれ上昇しています。日本株は、その割安なバリュエーションからウォーレン・バフェット氏の強い支持を得たことで、投資家の注目を集めています。一方、ギリシャの株式市場は、中道右派与党のミツォタキス首相が第1党を維持したことを好感し、7%上昇して今日の取引を終えました。
※本レポートは自動翻訳を一部修正したものです。原文と和訳に齟齬がある場合は原文が優先されます。
先月発行したレポート「日本株は復活を遂げるか?」では、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイがパンデミックの初期に日本株への投資を拡大し、新たにコミットを強化したことを取り上げました。当時バークシャー・ハサウェイはコモディティへのエクスポージャーを獲得したいと考えていましたが、その手段として日本の総合商社という、市場で強固な地位を確立する一方で株価バリュエーションが極めて低い特定の投資先を選択しました。こうしたバークシャーの賭けは結果的に正しいものとなり、日本株は今年に入って現地通貨建てで16.5%、米ドル建てで約10.7%上昇しています。このウォーレン・バフェットの「マーケティング・キャンペーン」が功を奏して、今、日本株は2012年末にアベノミクスが始まって以来、最も注目を集めています。また、アベノミクス以降の日本株の円建てのトータルリターンは、じつに270%に達しています。下図のTOPIXのトータルリターンの推移からも、日本株が新たな節目に差し掛かっていることが見て取ります。
先日、中国は米半導体Micronのチップの調達を禁止するなど、米国と中国は引き続き報復合戦を繰り広げており、両国間の緊張の高まりはサプライチェーンの分断化によってメリットを享受する一部の国々にとって、追い風となるものとみられます。日本はメキシコ、インド、ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシアといった「勝ち組」に加わる可能性が高いでしょう。
前述のレポートでお伝えしたとおり、日本株市場は1980年代後半のバブル経済の崩壊から立ち直り、米国株に比べてが2%低い水準にあった配当利回りは1995年以降1%程度上昇しており、日本株の期待リターンは上昇しています。また、EV/EBITDA倍率(12ヶ月先)で見ると米国株に比べて50%近く割安な水準にあり、歴史的に株式市場のリターンの原動力となってきた株価バリュエーションが今後一段と拡大する余地が残されています。
業種別に見ると、主に半導体(+46%)、消費者サービス(+39%)、耐久消費財・アパレル(+31%)、テクノロジーハードウェア(+27%)、資本財(+24%)が日本株の上昇を牽引しています。また、業種別に個別銘柄の動向を精査すると、最も寄与度の高い銘柄は以下となります:
ギリシャ総選挙(5月21日)の結果を受けて、ギリシャの株式市場は7%上昇し、2014年以来の高値を更新しました(トータルリターンではなく株価指数ベース)。ミツォタキス首相が率いる中道右派与党が勝利し、過去15年間にわたって政情不安が続いてきた同国の政治的リスクが後退するとの期待が高まっています。ギリシャ株は今年に入って31%上昇し、株価指数はトータルリターンは、ギリシャがユーロ圏当事国として財政破綻を回避すべく厳しい緊縮財政を実施する前の2011年1月に付けた直近ピークの水準に迫っています。2012年5月の安値水準から足元までのリターンは186%(年率リターン10%)に達しており、現代史において最も暗い時期に臆する事なくギリシャ株に資金を投じた投資家が、ようやく報われる時を迎えています。
ギリシャの失業率はいまだに10.9%と高い水準にあるものの、株式市場の上昇は、経済的な成果を上げている現政権が信任投票で勝利を収めたことを裏付けています。また、失業率2013年の28.1%から低下しており、2004年の水準に回復しています。ギリシャの復活までの道のりは国民の痛みを伴うものであり、今後もモメンタムが維持されることを願っています。労働市場が改善を遂げているとはいえ、ギリシャの実質GDP成長率は2008年のピークを20%下回っており、いかにギリシャ経済が危機的な状況に陥っていたかを物語っています。しかし、私は2014年にアテネを訪れた際、困難な状況にもかかわらず、活気に満ちた人々に出会ったことを鮮明に覚えています。ここから後は良くなる一方であると感じました。最後に、ギリシャの政府債務残高(対GDP比)は171%と依然高い水準にあるものの、2015年第3四半期以来で最も低い水準にあることは注目に値します。