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サマリー: 今週はユーロドルです。ユーロドルは2017年安値を3度目のトライで下抜けたことから一気に1.01台まで下げることとなりました。主な材料はテクニカルな部分ですが、ベースには欧州の景気悪化懸念がある中での利上げです。教科書の中でしか読んだことがないスタグフレーションが現実のものとなるリスクがユーロの先安感を強めています。
ユーロドル(EURUSD)は7月ECB理事会において利上げが始まることが確実視され6月も底堅い動きをしていましたが、欧州の景気が弱い中での利上げがスタグフレーションを招くとの懸念から上値もまた重い流れが続いていました。
テクニカルには2017年安値1.03397を前に1.03台半ばで何度も反発する動きとなっていましたが、今週ついに2017年安値を下抜けると一気に1.01台まで下げる動きとなりました。
月足チャートをご覧ください。
長期的には2021年1月の戻り高値を起点に1年半ほぼ一貫して下げる動きを続け、今回1.01台半ばまで下げてきたことで次のターゲットとしていよいよパリティ(1ユーロ1ドル)を視野に入れた動きとなってきたと言えます。
欧州のスタグフレーション懸念だけでなく金利差という観点でもECB以上にFRBの利上げペースが速く大きくなることからドル円のようなドル高の動きになっても不思議ではありません。テクニカルな目安としてはパリティばかりに目が行きますが、その手前やその下はあまり話題にならないようなので、直近の動きから少し細かく見てみましょう。
日足チャートをご覧ください。
5月高値を起点に6月安値までの下げ、6月下旬の戻り高値を3点とした逆N波動を考えると100%エクスパンションが1.01863と原稿水準に近いのですが、ここで反転上昇という動きは考えにくいため、まずは127.2%エクスパンションの1.00699、今回の流れでいったん下げ止まりやすい水準として161.8%エクスパンションの0.99219という水準があげられます。
パリティを見ずに反転では不完全燃焼という感じですから、パリティの1.0000と上記テクニカルなターゲットから0.99台前半を今後は視野に入れた下げが続くという見方をしておきます。