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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: 今週はドル円を取り上げました。前回もドル円を取り上げましたが、2週間空き、その間に日銀会合や介入実績発表など円相場に影響を与えるイベントが続きました。前回の振り返りではこの間の動きを振り返り、今週の部分では長期的な見通しと、ここから半月程度のテクニカルな見通しを示しました。
今週もドル円(USDJPY)を取り上げます。
ドル円(USDJPY)は前回の振り返りで10月末以降の動向を振り返りましたが、12月の金融政策会合では主要3極の中銀はすべて現状維持がコンセンサスとなっています。FRB関係者は11月1日のFOMC以降もタカ派発言が目立っていましたが、今週火曜のCPIが総合CPI、コアCPIとも前月比、前年比で予想よりも弱い数字であったことを受け、一段と現状維持の見方が強まりました。
こういうことは滅多に無いのですが、12月FOMCまで約1か月を残している昨日時点で、FF先物の取引水準から計算される利上げ織り込み度はゼロ、金利市場で取引する全参加者(100%)が現状維持という見方になっています。今後もFRB関係者はタカ派発言を行う可能性はありますが、現在の誘導目標である5.25~5.5%の水準を継続していくことで、インフレを抑えるという市場の見方で良いかと思います。
なおFF先物の先の動きを見ると、2024年5月FOMCで緩和に転じるという見方が59.8%となっていて、5月あるいは6月にはFRBも緩和に転じるということになるでしょう。
いっぽうで日銀も12月の現状維持は間違いないところですが、物価見通しを上方修正してきていることを考えると、早ければ3月、遅くとも来年夏までにはマイナス金利を解除しゼロにすると見られます。個人的には6月会合の可能性が高いのではないかと考えます。
そうなると、第2四半期が終わるころには米国は緩和、日本は引き締めとこれまでとは逆の金利の動きが見えてきます。もちろん金利差自体は存在しますので一気にドルが急落するようなことも無いでしょうが、そうした兆候が見えてくるのはおそらく数か月前、来年の3~4月頃にはついにドル円が下げる方向に転じる可能性があるのではないかというイメージです。
上述したことは長期的なイメージですが、短期的には介入が出るのか出ないのかという点に尽きるのではないかと思います。水準よりも変動幅といったことを財務省は言っているわけですが、それでも着実に進んでいる円安を放置ということも無いでしょう。おそらく昨年高値を上抜け、152円台の半ばから後半という水準は最初の介入危険水域では無いかと見ています。
テクニカルにも支持されると思いますので以下のチャートをご覧ください。
3月安値を起点に上昇N波動を考えます。6月末までの上げ、7月中旬の押し、そしてそこから現在までの上げです。ここでフィボナッチ・エクスパンションで現在の上昇の目途を計算すると、100%エクスパンションが152.671となり、ここから上がる場合のターゲットとして152円台半ばから後半が最初のターゲットとなりやすいであろうという見方ができます。
イベント経過で改めてドル買いが再開し、昨年高値を上抜け更なるドル高を目指す水準からの介入、そんな動きを11月後半のどこかで見ることになるのではないか、というのが現時点でのシナリオです。