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オプション戦略責任者
米国:米国株式は、貿易摩擦の激化により、大幅なボラティリティが見られました。週明けの売りは、Tesla(-15.4%)とNvidia(-5.1%)が関税に関する懸念(3月10日)から急落するなど、ハイテクセクターと資本財のセクターに最も大きな打撃を与えました。金曜日の市場は、政府機関の閉鎖が回避されるという楽観的な見方に牽引され、力強く反発しました。Intelは新CEOのリップブ・タン(Lip-Bu)氏の任命で14.6%急騰しましたが、Adobeは弱い収益予想を発表(3月14日)したことにより急落(-13.8%)しました。
ヨーロッパ:ヨーロッパ市場は、トランプ大統領が提案したEU産のワインと蒸留酒に対する200%の関税など、貿易紛争の激化による圧力に直面しました。自動車株と高級ブランド(ラグジュアリー)株、特にペルノ・リカール(Pernod Richard)(-4.12%)とレミー・コアントロー(Rémy Cointreau )(-4.31%)は大きな影響を受けました。防衛関連株は、ドイツのインフラと国防費に関して出された法案に支えられ、上昇しました(3月13日)。DAX (+1.9%) と STOXX 50 (+0.93%) は、週後半 (3 月 17 日) にセンチメントが改善し、上昇して取引を終えました。
アジア:アジア市場は、世界的な貿易懸念と中国の景気刺激策の期待の中で、まちまちのパフォーマンスとなりました。中国のCSI300は、対象を絞った景気刺激策と堅調な工業生産データに牽引され、2.6%上昇しました(3月14日)。日本の日経平均(+1.0%)はNY市場での反発に追随しましたが、香港のハンセン指数はハイテク株のボラティリティにより変動しました。韓国のKOSPIは、不確実性が広がっているにもかかわらず、ハイテクセクターの利益に支えられ、底堅さを示しました(3月13日)。
VIX指数は、関税関連の不安が強い中、週半ばに27.98に急上昇し、12月以来の高水準を記録しました。その後、ボラティリティは金曜日までに緩やかになり、重要な米連邦準備制度理事会(FRB)の会合を前に投資家心理が安定し、21.98で取引を終えました。短期的なボラティリティの指標は引き続き警戒感を示していますが、市場がFRBからの主要な更新情報と経済データの発表を予想しているため、突然の強い恐怖感は落ち着きました(3月14日)。
暗号資産市場は継続的な圧力に直面し、ビットコインは一時的に77,000ドルを下回った後、金曜日までに82,966ドルに緩やかに回復しました。イーサリアムとソラナは、ビットコインのボラティリティを反映する形で動きました。暗号資産に連動する株式はまちまちでした。マクロ経済に関するデータやFRBのガイダンス(3月17日)を前に市場センチメントが慎重であるにもかかわらず、MicroStrategyは急上昇(+13%)し、同株式への機関投資家の関心が高まっていることを浮き彫りにしました。
米国債利回りは、リスクセンチメントの変化とインフレに関するデータの影響を受けて、大きく変動しました。米国10年債利回りは約4.29%で終了しました。欧州の利回りは大きく変動し、財政刺激策が議論される中、ドイツの10年物国債利回りは2.94%に近づきました。日本の国債利回りは、国内経済に対する懸念や世界的な関税についての不透明感から急落しました(3月14日)。
金価格は、関税引き上げに関する応酬の激化と景気後退の懸念が続く中、安全資産としての需要に牽引され、一時的に3,000ドル付近で過去最高値を付けました。原油価格は変動しましたが、特にイランへの制裁に関する地政学的な緊張に支えられました。銅は米国の関税による供給制約への懸念から急騰し、銀は広範な貴金属の強さから恩恵を受けました(3月13日)。
米ドルは、政府機関閉鎖の懸念が薄れる中、反発への追い風となり、週後半に安定しました。円は、世界の債券市場のボラティリティと政策の不透明感に反応して下落しました。ユーロ/米ドルは、EU-米国間の関税に関する報復措置が激化し、マクロ経済に関して市場に現れるシグナルがまちまちになる中(3月14日)、以前の高値から下落しました。
今週は、市場を牽引する可能性のある重要なイベントが予定されています。
特に関税やウクライナ・ロシア紛争をめぐる地政学的な緊張、そしてインフレデータや中央銀行の政策ガイダンスを中心としたマクロ経済の不確実性が根強く残る中、投資家はボラティリティが続くことを覚悟する必要があります。今後の企業収益と米連邦準備制度理事会(FRB)のコメントは、短期的な市場の方向性を決定する上で重要になります。