賢い投資家 - アルファベット(GOOGL)株のオプション活用法

賢い投資家 - アルファベット(GOOGL)株のオプション活用法

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コーエン・ホーレルベケ

オプション戦略責任者

サマリー:  アルファベット(GOOGL)株を保有する投資家は、価格が一定の範囲にとどまっている間は、カバードコールとショート・プットを組み合わせてプレミアムを獲得する戦略であるカバード・ストラングルを使用して、その株式ポジションのリスク・エクスポージャーを維持しながらプレミアムを獲得することで、追加の利益を生み出すことができます。


オプションは複雑でリスクの高い商品であり、知識、投資経験、そして多くの実際の投資の場面では、高いリスク許容度が必要です。オプションに投資する前に、運用とリスクについて十分な情報を得ることをお勧めします。

 

アルファベット(GOOGL)株のオプション活用法

アルファベット(GOOGL)株を保有する投資家は、同社の最新の決算発表後、不安定な状況を経験しています。比較的堅調な財務数値にもかかわらず、株価は否定的な反応を示し、最近の高値から後退しました。週足チャートは、GOOGL株が上昇トレンドを維持していることを示していますが、決算発表後はいくつかの抵抗(レジスタンス)に直面しています。この記事を書いている現在、価格は185.34ドル付近で推移しており、下記のグラフから、50週間移動平均の170.71ドルをまだ上回っていることがわかります。

GOOGL株の5年チャート©サクソバンクグループ

やや強気で追加の利回りを生み出したいと考えている投資家にとって、オプション戦略はチャンスを提供します。そのアプローチの1つが、潜在的なアップサイドへのエクスポージャーを維持しながら、追加のキャッシュフローを提供できるカバード・ストラングル戦略です。

重要な注意事項: この記事で紹介する戦略と例示は、純粋に教育目的で提供しています。これらは、あなたの思考プロセスを形作るのを助けることを目的としており、慎重に検討せずにそのまま複製したり実装したりすべきではありません。すべての投資家またはトレーダーは、決定を下す前に、独自のデューデリジェンスを実施し、独自の財務状況、リスク許容度、および投資目標を考慮に入れる必要があります。株式市場への投資にはリスクが伴い、十分な情報に基づいた意思決定を行うことが重要です。


カバード・ストラングル戦略: GOOGL株を保有しつつ、その投資利回りを向上させる

カバード・ストラングルは、カバードコールとショート・プットの組み合わせです。この戦略は、すでにGOOGL株を所有しており、オプションを売却して得られるプレミアムから利益を生み出し、(株価が下落した場合)割安な価格で追加の株式を取得することに前向きな投資家にとってうまく機能します。

トレードの仕組み:

  • 210ドルの権利行使価格でコール(2025321日満期)を売る  → これによりプレミアムからの収益が発生しますが、GOOGL株が210ドルを超えて上昇した場合でその上昇分の利益は制限されます。
  • 175ドルの権利行使価格でプットを売る(2025321日満期)これにより、追加のプレミアムが得られますが、株価が175ドルを超えて下落した場合、投資家はGOOGL株を175ドルで購入することが義務付けられます。
  • 受け取ったプレミアムの合計:1株あたり3.40ドル(40日未満で~2%の利回り)
GOOGLE株のストラングル ©サクソバンクグループ

主な利点とリスク:

  • 株価の動きが無い中でも追加のキャッシュフローを生み出します。  
  • GOOGLの株価が175ドルから210ドルの間にとどまる場合、投資家は3.40ドルのプレミアムを全額保持します。    
  • 満期時にGOOGL株が175ドルを下回った場合、投資家は事実上171.60ドル(権利行使価格の175ドルからプレミアムの3.4ドルを差し引いたもの)でより多くの株式を購入できますが、株価が175ドルを超えて下落しても175ドルでプットの買い手から同株を買う義務があるため、例えば市場価格が165ドルの場合、損失は175ドル - 3.4ドル - 165ドル = 6.6ドルとなり、追加のダウンサイドリスクを負うこととなります。
  • GOOGLの株価が満期時に210ドルを超えた場合、投資家は購入価格より高い価格で保有する現物株式を売却することから得られる利益を確保しますが、株価が210ドル以上に上昇しても割安な210ドルでコールオプションの買い手に同株を売る義務があるため、例えば市場価格が220ドルの場合、10ドルの上昇分は得られず、利益が制限されます。

なぜ今なのか?インプライド・ボラティリティの上昇

GOOGL株のインプライド・ボラティリティ(IV)は現在26.92%で、IVランクは33.12%です。これは、オプションプレミアムが比較的高いままであることを示唆しており、プレミアム獲得目的のオプション売りの戦略が魅力的になっています。カバード・ストラングルを利用することで、投資家はこの高いIVを活用し、リスク・エクスポージャーを管理しながらリターンを向上させることができます。

オプションの概要 © barchart.com

強気と弱気の投資家のための代替戦略

他のアプローチを検討している投資家にとっては、以下に紹介する2つの戦略が、異なるリスク・リターン特性を提供します。

  1. 強気:LEAPLong-term Equities AnticiPation Security株式長期予測)コールオプションを買う長期コールオプション(2026年に満期を迎えるなど)を購入することで、投資家は限られたリスクでアップサイド(価格上昇)のエクスポージャー(投資ポジション)を維持しながらも株式を所有する必要が無くなります。
  2. 弱気:プットオプションを買う満期まで十分な時間のあるプットオプションを取得すると、ダウンサイドプロテクション(株価下落による損失発生リスクからの保護)になると同時に、GOOGL株の価格下落に対する投機的な弱気の賭けをすることができます。

結論:投資を続けながら利回りを向上させる

カバード・ストラングルは、アルファベット株へのエクスポージャー(投資ポジション)を維持しながら追加の利回りを生み出したいと考えている投資家にとって魅力的な機会を提供します。GOOGLの株価が妥当な範囲内にとどまれば、投資家は全額のプレミアムを獲得できる立場にあることから、リターンが増大します。株価が大きく動けば、より高い価格で利益を得るか、割引価格で追加の株式を取得するかのどちらかで、どちらも長期投資家にとって好ましい結果となります。

すでにGOOGL株を保有している方にとって、この戦略は、潜在的なリスクを効果的に管理しながら、中立からやや強気の市場環境でリターンを向上させる実用的な方法を提供します。

これらのガイドとケーススタディをご覧ください。
戦略的なポートフォリオ管理のための長期オプションの使用に関する詳細なガイド 当社の専門情報のリソースは、戦略的に利益を管理し、長期的なオプションを使用してポートフォリオ内の単一(または少数)のポジションへの依存を減らすことを学ぶように設計されています。このガイドは、投資を多様化し、市場へのエクスポージャーを維持しながら利益を確保するための長期的なオプションを理解し、適用するのに役立つように作成されています。
ケーススタディ:カバードコールを使用してポートフォリオのパフォーマンスを向上させる             このケーススタディでは、投資家が株式を保有し、コールオプションを売却してプレミアムによる利益を生み出すカバードコール戦略について詳しく説明します。このアプローチは、利益の創出とリスク管理のためのバランスの取れた方法を提供し、小さな下落に対する保護と上限があるものの潜在的な利益を提供します。
ケーススタディ:プロテクティブ・プットを使用してリスクを管理する              この分析では、投資家が株式を所有し、大幅な下落を防ぐためにプットオプションを購入するプロテクティブ・プット戦略について考察しています。プレミアムのコストにもかかわらず、このアプローチは安心感と経済的保護を提供し、リスクを嫌う投資家にとって理想的です。
ケーススタディ:現金担保プットを使用して割引価格で株式を取得し、収益を生み出す このレビューでは、投資家がプットオプションを売却しながら、行使された場合に株式を購入するのに十分な現金を保有している現金担保付プット戦略について掘り下げています。この方法は、インカム創出と低コストで株式を取得する可能性とのバランスを取り、慎重な投資家にとって魅力的です。
ケーススタディ:カラーを使用してリスクとリターンのバランスをとる この研究では、投資家が株式を所有し、ダウンサイドリスクに対する保護を提供するプットを購入し、リスクとリターンのバランスをとるためにコールオプションを売却するカラー戦略に焦点を当てています。このコスト中立的なアプローチは、プットのコストをコールのプレミアムで相殺することで実現され、セーフティネットと追加の利益を提供し、慎重な投資家に適しています。

オプションは複雑でリスクの高い商品であり、知識、投資経験、そして多くの実際の投資の場面では、高いリスク許容度が必要です。オプションに投資する前に、運用とリスクについて十分な情報を得ることをお勧めします。
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