COT:トウモロコシが売られ、原油、天然ガス、金が買われる COT:トウモロコシが売られ、原油、天然ガス、金が買われる COT:トウモロコシが売られ、原油、天然ガス、金が買われる

COT:トウモロコシが売られ、原油、天然ガス、金が買われる

商品
オーレ・ハンセン

コモディティ戦略責任者(Saxo Group)

サマリー:  週刊COT情報はコモディティと外国為替についてヘッジファンドやその他の投機家が組んだ先物ポジションとその変化の情報をお伝えするものです。今回は米国の祝日の関係で通常よりも1日短い7月3日(月)までの1週間を対象とします。この週は債券利回り、ドル、株式がすべて上昇しましたが、商品セクターはまちまちの展開となりました。投機筋が原油、天然ガス、金に注目する一方、トウモロコシのポジションは価格の低迷によりネット・ショートに転じました。


サクソバンクは、コモディティのレバレッジド・ファンドの建玉明細(COT)報告を毎週発行していますが、外国為替に関しては非商業目的(投機筋)のデータを使用しています。

建玉明細(COT)報告とは?

建玉明細(COT)報告は、米国の米商品先物取引委員会(CFTC)により発行され、ブレント原油・軽油についてはインターコンチネンタル・ヨーロッパ取引所(ICE Exchange Europe)により発行されます。この報告書は、毎週金曜日の米国取引時間終了後に、その前の火曜日までの1週間のデータとともに公表されます。先物市場の建玉残高の内訳が、資産クラスに応じた様々なユーザーグループごとに示されます。 

コモディティ:生産者/マーチャント/加工者/利用者、スワップディーラー、マネージドマネー、その他
金融商品:ディーラー/仲介業者、資産運用会社/機関投資家、レバレッジドファンド、その他
外国為替:商業目的、非商業目的(投機筋)の大まかな内訳 

ヘッジファンドおよびトレンドフォロー戦略を採るCTA(Commodity Trading Advisor:商品投資顧問業者)など、特定の投機家の行動に注目する理由は以下の通りです:

  • タイトストップが設定されている可能性が高く、ヘッジの対象となっている原資産のエクスポージャーがない。 
  • このため、ファンダメンタルズやテクニカルな価格動向の変化に最も反応しやすい。
  • 主要なトレンドに関する見解を得られるほか、反転のタイミングを読み解くのにも役立つ。

このグループはファンダメンタルズによって引き起こされる価格変動を予測し、それを加速・増幅させる傾向があります。そのトレーダーはモメンタムに追随する戦略を採り、しばしば上昇局面で買い、下落局面で売ります。つまり、サイクルのピーク付近では最大のロングポジションを、底値の直前では最大のショートポジションを取ることになります。 

Global Market Quick Take Europe
Saxo Market Call Daily Podcast

Commodity Weekly: Best month in over a year



このサマリーは、米国の祝日のために通常よりも1日短い先週月曜日(7月3日)までの1週間にヘッジファンドが商品と外国為替について組んだ先物のポジションとその変化を取り上げたものです。この週の金融市場の動きは不可解で、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続の観測が高まったために、債券利回り、特に短期債利回りが大きく上昇したものの、米国を含む世界の株式市場の堅調な動きが妨げられることはありませんでした。先週水曜日(7月5日)の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公開で、多くのFOMCメンバーが追加利上げを支持したことが明らかになるまでは、株式市場では強気のセンチメントが優勢でした。 

コモディティ

7月3日までの1週間、ブルームバーグ商品指数は、原油と燃料製品、大豆、ソフトコモディティ、畜産物の大幅な上昇が、天然ガス、トウモロコシ、小麦、コーヒーなどの下落で相殺され、ほぼ横ばいで推移しました。

主要24種のコモディティ先物取引では、売りと買いが均等に分かれ、全体的な結果はネットロング・ポジションが4%の小幅減となり100万枚を下回りました。主因は砂糖とトウモロコシが大きく売られたことで、特に後者は急激にネット・ショート・ポジションに転じました。白金族金属と銅、大豆も売り越しとなりました。買いは、原油、天然ガス、金、カカオ豆、畜産物に集中しました。 

原油と燃料製品:7月に入り、サウジアラビアの減産が実施されたことで、WTIではショート・ポジションが解消され、ブレント原油では新規の買いが入りました。全体では、ネット・ロング・ポジションが4万9000枚増の28万枚となり、過去2カ月間の取引レンジ内にほぼ収まりました。
金、銀、銅:金は、利回りの上昇にもかかわらず、1900ドルを下回ると買いが入り、ネット・ロング・ポジションが15%増加し、4週間ぶりの高水準となる9万9000枚となりました。銀は引き続き力強さに欠け、ネット・ロング・ポジションが3カ月ぶりの低水準にとどまりました。白金族金属セクターは軟調に推移し、パラジウムのショート・ ポジションが7.5万枚と過去最高を更新し、プラチナのポジションは4カ月ぶりにネット・ショートに転じました。一方、銅は軟調に推移し、新たなショート・ポジションにより、ネット・ロング・ポジションは56%減の9000枚に落ち込みました。
穀物:トウモロコシのポジションは、天候の好転と作付面積の増加を受け、ネット・ショート・ポジションに転じました。こうして、トレーダーが不意を突かれ、急反発への対応が遅れた異常な5週間が終了しました。大豆は作付面積の減少に伴う価格高騰が利益確定の引き金となり、ネット・ロング・ポジションは1週間で10%減少しました。
ソフトコモディティ:砂糖の売りが続き、そのネット・ロング・ポジションは14万枚と11月以来の低水準まで減少した一方、在庫減少が供給不安を招いているカカオ豆のロング・ポジションは7万5000枚と3年ぶりの高水準に達しました。そのほか、コーヒー豆のショート・ポジションは5カ月ぶりの高水準に達し、綿花のショート・ポジションは半減しました。
為替市場では、通貨ごとにまちまちの展開となりました。ユーロ、英ポンド、日本円、豪ドルの売りが、スイスフラン、ニュージーランド・ドル、カナダ・ドルの買いで一部相殺され、特に後者2通貨は新たにネット・ロング・ポジションに転じました。全体としては、IMM先物8種とドルインデックスに対するドルのグロス・ショート・ポジションは115億ドルと小幅に縮小しました。

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