ウォーレン・バフェット(Warren Buffet)氏の第4四半期ポートフォリオの変化:Constellationへの新たな賭け、Appleの売却は一時停止

ウォーレン・バフェット(Warren Buffet)氏の第4四半期ポートフォリオの変化:Constellationへの新たな賭け、Appleの売却は一時停止

株式
チャル・チャナナ

チーフ・インベストメント・ストラテジスト

主なポイント:

  • バフェット氏は、保有するApple株を1年間減らした後、その売却を停止し、現在、3億株を維持しています。一方、Constellation Brands12億ドルの投資を開始したことで、アルコール業界の価格決定力と需要に対する自信が浮き彫りになりました。
  • バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathway)の手元資金は、バフェット氏が意義深い投資機会を辛抱強く待ち続けている一方で、高金利の恩恵を受けて、約3,250億ドルに急増しています。
  • Citigroup(-73%)Bank of America(-14.7%)の大幅な削減は、大手銀行に対する熱意の低下を反映しており、S&P 500 ETFを完全に売却したことは、広範な市場のバリュエーションに対する慎重な姿勢を示唆しています。

ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイは最近、2024年第4四半期のフォーム13F(米国株式保有報告書)の提出を発表し、オマハの賢人(Oracle of Amaha)が年末に何を売買したかを新たな視点で見直す機会を与えてくれました。同四半期において、バフェット氏はApple株を1年にわたり削減した後、ついにその売却を停止し、Constellation Brandsに新たな賭けをし、金融セクターの持ち株の削減を続けました。一方、バークシャーの伝説的な現金の山(積みあがったキャッシュポジション)は、現在、驚異的な3,250億ドルに近づいていると推定されています。 

主な動き:バフェット氏が追加し、減らし、完全売却したもの

追加購入した銘柄と新規に買いをいれた銘柄:

注目すべきハイライト:

  • 新規の買い:Constellation Brands(STZ) - その強力な価格設定力と安定した配当(1.5%)で知られるトップアルコールブランドへの120億ドルの投資。
  • より多くのエネルギー・セクターへの投資:Occidental Petroleumを合計26,420万株(1305千万ドル)になるまで追加し、石油とガスに対する長期的な強気のスタンスを継続しました。

売却した銘柄:

注目すべきハイライト:

  • 最大の削減:Citigroup(-73%) - バフェット氏の同四半期最大の財務上の調整で、大手銀行への投資からの急激な撤退を示しています。
  • Bank of Americaの追加の売却:BAC-14.7%)と、売却は第3四半期から続き、2四半期で合計23.7%の減少。

完全に売却した銘柄:

  • Ulta Beauty:完全に売却し、結局のところ、投資は短期間で終わりました。
  • SPY(S&P 500 ETF)VOO(バンガードS&P 500 ETF):S&P 500をベンチマークとする 両ETFから完全に売却したため、高い市場のバリュエーションと同ETFのアクティブ投資との関連性に対する懸念を示している可能性があります。

2024年第4四半期の主なポイント:

積みあがったキャッシュポジションは3,250億ドルに迫る

  • バフェット氏の伝説的な現金準備金は増え続けており、わずか18ヶ月前の1,500億ドルから、現在は3,250億ドル近くに増加していると推定されています。
  • 金利が高いということは、この蓄積された現金のポジションが大きな収入を生んでいる一方で、バフェット氏はより大きな投資機会を待ち望んでいるということです。

ついにAppleの売却が完了

  • バフェット氏は保有率が最大であるApple株を4四半期間削減し続けた後に一時停止しましたが、300百万株(751億ドル)を安定して保持しており、売却開始前の51%からは減少しましたが、Apple株はまだバークシャーのポートフォリオの28%を占めています。
  • バフェット氏は以前、これらの売却は「税務上の目的」であり、Appleの長期的な見通しに対する自信の欠如ではないと示唆していた。

Constellation Brandsへの新たな賭け:強力なブランドへの投資とキャッシュフロー

  • バフェット氏のConstellation Brandsへの12億ドルの投資は、アルコールセクターの価格決定力と安定した需要に対する自信を示しています。
  • 同社の配当利回りは1.5%で、Modeloブランドは現在、米国で#1のビールであり、長期的に複利をもたらす保有株になる可能性があります。

金融株は依然として冷え込んでいます

  • Citigroup株の大幅な削減(-73%)とBank of America株の継続的な削減(-14.7%)は、バフェット氏の大手銀行に対する熱意の低下を浮き彫りにしています。
  • 金融株とハイテク株は依然としてバークシャーのポートフォリオの65.68%を占めていますが、バフェット氏は明らかにパフォーマンスの弱い銘柄への保有比率を減らしています。

完全売却されたS&P 500 ETF – 市場のバリュエーションについてのシグナルか?

  • SPYVOOの保有比率は小さかったものの、それらを完全に売却することは、広範な市場のバリュエーションが高くなりすぎているというバフェット氏の見解を反映している可能性があります。
  • S&P 500PER(株価収益率)は過去の平均を大きく上回っており、厳選された個別銘柄よりも同インデックスの魅力が薄れている可能性があります。

バフェット氏は今でも配当株を選好しています

  • バフェット氏の保有する上位10銘柄のうち9銘柄が配当を支払い、現金を生み出すビジネスに重点を置くことを強調しているのがわかります。以下は、バフェット氏の上位保有銘柄の12か月の配当利回りです。

    • Apple: 0.41%
    • American Express: 0.90%
    • Bank of America: 2.13%
    • Coca-Cola: 2.82%
    • Chevron: 4.25%
    • Occidental Petroleum: 1.83%
    • Moody’s: 0.65%
    • Kraft Heinz: 5.53%
    • Chubb: 1.36%

    サクソバンクグループの配当成長テーマバスケットには、長期間にわたって一貫して配当を成長させてきた銘柄の厳選されたリストが含まれています。


    まとめの学習内容:バフェット氏の2025年の市場見通し

  • 忍耐が鍵:3,250億ドル近くの現金を持つバフェット氏は、明らかにより大きな投資機会を待ち望んでいます。
  • 厳選投資:Constellation Brandsを追加したことから、価格決定力をもつ生活必需品セクターに対するバフェット氏の自信が表れています。
  • バリュエーションに慎重:S&P 500 ETFの完全売却は、現在の広範な市場のバリュエーションに対する懐疑的な見方を示唆している可能性があります。
  • 品質への忠実さ:Appleは依然としてバフェット氏の最重要投資先であり、配当は引き続き、バフェット氏の戦略の礎石となっています。

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