ハイテク株は、投資家から近年最も注目を集めている領域の一つです。
本記事では特にアメリカのハイテク株に焦点を当て、成長が期待される企業の特徴や、取引のメリットとリスク、具体的な投資方法について詳しく解説します。
ハイテク株とは?
ハイテク株(ハイテクノロジー株)は、最先端技術を基盤に製品やサービスを提供する企業の株式を指します。
この分野には半導体、人工知能(AI)、クラウドコンピューティング、デジタル広告、ロボティクスなど多岐にわたる業種が含まれます。また、国内では電気機器や精密機器を中心に、海外ではアメリカのナスダック市場を主な舞台として成長しています。
本記事ではここから、ハイテク株の中でも特にアメリカのハイテク株に焦点を当てて解説していきます。
アメリカのハイテク株の例
早速、2025年以降に成長が期待されるアメリカのハイテク株の例を挙げます。
以下の10企業は、AIやクラウド、半導体など成長著しい分野での活躍が期待されており、長期的な投資対象として注目されています。
アップル(Apple Inc.)
アップルは皆さんご存知の通りiPhone、iPad、Apple Watch、Macなどの個人用デバイスを製造し、App StoreやApple Music、iCloudなどのサービスを提供しています。ウォール街の株式アナリストであるアンジェロ・ジーノ氏は、アップルの利益率が向上し、今後も市場の拡大や膨大な顧客基盤の収益化が進むと予想しています。またデバイス内AI機能の拡充や、安定したキャッシュフローも強みです。
マイクロソフト(Microsoft Corp.)
マイクロソフトはWindowsやOffice、Azureクラウドサービスを提供する世界最大のソフトウェア企業です。ジーノ氏は、生成AI需要の拡大を背景にOpenAIへの投資やAzure事業、AI製品の展開が引き続き成長を支えると分析しています。
エヌビディア(Nvidia Corp.)
エヌビディアは高性能グラフィックスやAI向けプロセッサを設計および販売しており、2024年には株価が181%上昇しました。ジーノ氏は、
AIファクトリー※や高価格帯の新製品が2025年以降の需要をけん引すると述べています。
※AIファクトリー:AIモデルの構築や運用に必要な大容量のストレージや計算能力、ネットワークインフラを備えた施設
アクセンチュア(Accenture PLC)
アクセンチュアコンサルティングや外部委託を手掛ける世界的なITサービス企業です。堅実な財務基盤、幅広い顧客層、多様なサービス展開によって、経済状況が不安定な時期でも安定した投資先として注目されています。また、株式アナリストのブルックス・アイドレット氏は、アクセンチュアは生成AIやクラウド移行分野の成長をけん引しており、それが同社の堅実な受注実績にも反映されていると強調しています。」
IBM(International Business Machines Corp.)
IBMは企業向けソフトウェアやクラウド、AIソリューションを提供しています。生成AIモデル「Granite」や「watsonx」プラットフォームが成長の鍵とされています。
セールスフォース(Salesforce Inc.)
セールスフォースはクラウド型顧客管理ソフトウェアの最大手企業です。AI機能を搭載した「Agentforce」プラットフォームの普及が進むと予想されています。
アドビ (Adobe Inc.)
アドビはクリエイティブソフトウェアやAIツールを提供しています。FireflyやAcrobat内のAI機能が収益拡大に寄与すると見られています。
ブロードコム(Broadcom Inc.)
ブロードコムは多様なアナログ半導体を供給しており、AIインフラ投資ブームの恩恵を受けるとされています。VMware買収が進行中で、高収益のソフトウェア収入が期待できます。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices Inc.)
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は半導体企業です。データセンター向けCPU需要やAI分野での多様な製品展開が注目されています。
サービスナウ(ServiceNow Inc.)
サービスナウは企業や大学、政府機関向けにプロセスを自動化するクラウドアプリケーションを提供しています。AI製品による成長が期待できます。
アメリカのハイテク株を取引するメリット
成長の可能性
ハイテク株は、技術革新や新市場の開拓により高い成長を期待される銘柄が多く、他の上場企業と比較して急成長を遂げる可能性があるとされています。
ハイテク株の成長は企業規模によって大きく異なりますが、1株あたり5ドル未満で取引される「ペニー株」が技術革新や人気の急上昇により大きな成長を遂げることもあります。
先進的なイノベーション
テクノロジー業界は常に変化し続けており、ハイテク企業は最新技術を活用しつつ、革新を主導しています。こうした背景からこの業界は技術的なブレイクスルーが起こりやすいといえます。先ほど紹介したほとんどのハイテク株にもあったように、最近の例としてAI関連技術の台頭が挙げられます。AIは多くの業界に統合されつつあり、この分野で主導的な役割を果たす企業は、AIの普及トレンドの恩恵を受ける可能性が高いです。
アメリカのハイテク株を取引するリスク
収益変動の大きさ
ハイテク株は大きな値動きを伴うことで知られています。急速な技術革新や競争の激化が価格変動を招くほか、高成長への期待が反映された高い評価額を持つため、予想を下回った場合には市場の調整を受けやすい特徴があります。
急速に変化するトレンド
多くのハイテク企業が急激な成長を遂げることは投資家にとって魅力的ですが、この領域ではイノベーションが急速に進むため、トレンドや成長見通しが非常に速いペースで変化します。こうした変化に対応できなかったり、企業の基盤となる強みを十分に理解していなかったりすると、すでに過ぎ去ったトレンドを追い続けてしまうリスクがあります。
アメリカのハイテク株への投資方法
自分の投資経験や目的に応じて適切な手法を選ぶことが重要です。
個別のハイテク株に直接投資する方法
まず個別のハイテク株に直接投資する方法がありますが、この場合は銘柄選びが極めて重要です。企業の業績や市場トレンド、技術革新の速度や将来性など、多くの要素を慎重に分析する必要があります。
特に、売上高や利益率、株価収益率(PER)といった指標を活用し、企業の健全性を見極めることが求められます。
投資信託やETFを通じて行う方法
上記で個別のハイテク株に直接投資する方法についてお話しましたが、より一般的なハイテク株への投資方法は、投資信託や
ETF(上場投資信託)を通じて行う方法です。
- 投資信託とは:非上場の金融商品。
- ETFとは:投資信託の一種で、上場している金融商品。
これらの金融商品では、専門のファンドマネージャーが運用を行うため、初心者でも比較的安心して投資を始めることができます。
また、投資信託やETFは複数の銘柄に分散投資が可能で、価格変動が大きいとされるハイテク株のリスクを軽減できます。
まとめ
ハイテク株は成長性の高い投資対象として、多くの投資家に支持されています。特にアメリカのハイテク企業は、AIやクラウド、半導体分野の技術革新を背景に、今後も市場をけん引する存在として注目されています。
一方で、価格変動の大きさや急速なトレンド変化といったリスクも存在するため、個別のハイテク株に個人で直接投資する場合はハイテク株の取引リスクからの損失を受けやすいといえます。したがって初心者には投資信託やETF(上級投資信託)を活用し複数の銘柄に分散投資を行うことで、ハイテク株のリスクを軽減することがおすすめです。
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